根管治療大阪クリニックによる痛みの少ない根管治療・MI修復などお困り方はお気軽にご相談下さい。

根管治療のスペシャリストが教える 膿の発生と対処法

今回は「根管治療のスペシャリストが教える 膿の発生と対処法」について、2つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
膿が発生する原因
 
■ポイント2
膿ができないようにするための対処法
 

以上の2つのポイントについて解説します。

ポイント1 膿が発生する原因

歯の根っこの先にできる『膿』の発生となる大きな要因は、「細菌」によるものです。
細菌が根管内に入り込むことで、少しずつ少しずつ膿が溜まっていき、歯を支えている周りの骨を溶かしていってしまいます。
では、どうして細菌が増殖してしまうのかについて解説していきます。
考えられる要因はいくつかありますが、1つ目は「被せ物や詰め物の隙間からの感染」です。
一度治療を行ったことのある歯は、イラストのように詰め物や被せ物がついていることが多いです。

 


詰め物や被せ物が入ることで歯は治った、これで虫歯はできないと思われがちですが、実は違います。
 
詰め物や被せ物が入っている場合には、金属の場合水溶性でできた接着剤を使用しますので、水で溶けていってしまいます。
想像していただけるとお分かりかと思いますが、お口の中には唾液があったり、水分をたくさん飲みますよね。
 
日々の生活で少しずつ溶けていってしまい、その隙間から虫歯になってしまいます。
それが広がることで、根っこの先に膿を作り出してしまいます。
また、死んでしまった神経が根っこの中に残っている場合にも膿ができる原因にもなります。
なぜなら、死んでしまった神経は細菌の餌になるからです。

 


ですが、根っこの中はかなり複雑で、根っこの中で繋がっていたり、根っこの先で枝分かれしているものもあります。

 


それにより、細菌が増殖することで根っこの先に膿を溜めてしまいます。
 
かなり難しいので、全ての根っこの中を治療仕切れていない場合も多くあります。
また、根管治療終了時には隙間なくお薬を根っこの管に詰めることが大事ですが、これだけ複雑な根っこに隙間なくお薬を詰めるのはかなり難易度が高いです。
 
もし、綺麗に掃除が仕切れていなくて、お薬もきちんと詰まっていない場合には根っこの先に膿を溜めてしまう原因にもなります。
このようなことから、膿というものができてしまうのです。

 
 

ポイント2 膿ができないようにするための対処法

膿ができないようにするための対処法はいくつかあります。
細菌が入り込まないようにすることが対処法になるのです。
先ほどお話しはしませんでしたが、こういった場合にも対処法をすることで膿の発生のリスクを下げることができます。
 
歯にヒビがあったり亀裂があるとそこから虫歯感染を引き起こしてしまいます。
こういったヒビや亀裂は、歯並びによりある一定の歯への負担がある場合に起こり得ます。
また、噛む力が強い方も歯にヒビが入りやすく、虫歯からの細菌感染を引き起こしてしまいます。
 
ですので、歯並びにより歯に負担がある場合には、矯正治療が必要だったり、噛む力が強い場合には夜寝てる間の気づかないうちの歯軋りや食いしばりからの力を防ぐために、マウスピースを使うことが有効です。

 


マウスピースを入れることで、歯への負担が分散されますし、歯が直接削れることなくマウスピースが代わりに削れてくれるので、ヒビを作ってしまう可能性が低くなります。
そうすることで、膿の発生も少なくなります。
先ほども治療をしたことのある歯には膿ができやすいとお話ししましたが、その場合の対処法です。

 


金属はどうしても隙間ができやすく、治療のやり直しも5〜7年程度と言われています。
できる限り隙間を作らないためには、セラミックを入れることで、接着剤も水では溶けないレジンセメントを使用するので、再治療のリスクがぐーんと下がり、膿を作るリスクも下げます。
 
最後に、根管治療についての対処法です。
歯科医師というのは、そもそもこのような状況下で治療を行います。
 
つまり、見えてる範囲はとても少なく、手探り状態で治療をしています。
これだと、根っこが複雑であったとしても治療しきれていないことが多くあります。
 
それを防ぐためには、顕微鏡やCTを使った精密根管治療が有効です。
しっかりと見える状況にして治療をすることで、複雑な様子もわかることがあり、また歯科医師の高い技術があることで、再発率もぐんと低くなります。
 
こういったことを行うことで、膿の発生のリスクを下げることができます。

まとめ

・詰め物や被せ物、根管治療など、一度治療を経験した歯は膿ができやすい
・噛む力が強い、または、歯並びの関係により一部のもしくは全体的に歯への力の負担がかかることで、虫歯ができやすくそこからの膿の感染も考えられる
・対処法:マウスピースを作る、セラミックなどのレジンセメントを使用する接着剤を使用する、精密根管治療を行う
ことで、膿の発生のリスクを下げることができる

 

根管治療は歯科医師によって圧倒的な差がある

今回は、「根管治療は歯科医師によって圧倒的な差がある」について3つのポイントをお話します。
 
■ポイント1
根管治療はそもそも難しい治療である
 
■ポイント2
根管治療も日々進化を続けている
 
■ポイント3
何度も回数を重ねる根管治療はよくない
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 根管治療はそもそも難しい治療である


根管治療とは、根っこの中の死んでしまった神経を取り出したり、また、根っこの先にできてしまった膿を無くすために行う、根っこに対する治療のことです。

一般的にも良く知られていると思いますが、虫歯がかなり進んでしまったり、外からの強い刺激によって、歯の神経というものは死んでしまうことが多いです。

この死んでしまった神経をそのままにしておくと、細菌はその死んでしまった神経を餌として増殖していくことで、根っこの先に膿を作り出してしまったり、歯を支える骨をどんどんと吸収してなくなっていってしまいます。

保険診療でも行われているのが、この根管治療ですが、実はとーっても難しい治療なのです。

 


根管内部と言うのはとても複雑で、根っこがクイーンと曲がってしまっていたり、根っこの先で枝分かれをしていたり、中で根っこが繋がっていたり、目で見えないほどの小さな根管があることもあります。

 


それを、歯科医師はこのぐらいの大きさでしかお口の中を見ることができず、実は手探り状態で治療を行っています。
 
想像できるかと思いますが、中で根管が繋がったとしていても、肉眼で見えない根管が存在したとしていても、このような状態だと治療仕切れないですよね。
 
ですので、最近ではCBCTや

 


マイクロスコープと呼ばれる顕微鏡を使用して治療を行うことも増えてきました。

 


ですが、こういった機材が揃っていたとしても、これを使いこなすということがとても大切です。
歯科の機材はどんどんと治療の質を上げるために良いものが出てきていますが、歯科医師によっては機材の使い方を知らなかったり、そもそも機材の種類すら知らない方もたくさんおられます。
 
つまり、根管治療は難しいのに、歯科医師の技術や知識はずっと同じ学校で習った時のことだけ、で治療されている方が多いのです。
 
ですので、難しい根管がある方や、悪質な細菌が住み着いている根管をどれだけ治療をしても、治りきらないといった事態が起こりえます。
 
ただし、これは歯科医師が悪いというわけではなく、こういった知識や技術は個人でもっと学んで行かないと分からない内容だということです。
 
お医者さんの中でも、脳外科や整形外科のように様々な分野があるように、歯科にも様々な分野があります。

 


根管治療専門医は、こうした根っこの複雑な状態での治療に対する知識や技術をたくさん兼ね備えています。
 
歯科医師の技術や知識も専門性に特化した方に治療をしてもらった方が、より成功率も上がります。
 
ですので、何度も根管治療をして苦労されている方、神経を取らないといけないと言われている方など、根管治療専門医による治療を受けられることをお勧めいたします。

 
 

ポイント2 根管治療も日々進化を続けている

現在、認知症のお薬が出るなど、医科の分野でも医療がかなり発達してきていますね。
 
実は、歯科の分野でも日々治療に対する進化や機材に対する進化を続けてきています。
 
歯科の世界でも2年もあれば、研究も進み、昔では治すことが困難だった歯も治療が可能になってきています。

 


例えば、以前は歯の神経を抜いたら蘇ることはできないとされていましたが、日本でもまだ少ない症例ではありますが、親知らずなどの不要な歯から『歯髄幹細胞』を取り出して、根管内部に移植することで、歯の神経が蘇るといった治療が可能になってきました。

 


また、昔だと虫歯を取り続け歯の神経が少しでも見えたら、歯の神経を取るというのが一般的でしたが、今は、神経の一部分を取り、MTAというお薬を使用することで第二象牙質という歯質ができ、歯の神経を温存することができるVPT治療という治療も可能になってきています。
 
このように、つい数年前には考えられなかったことが、医療の研究によってどんどんと進化を続け、不可能と思われていたことが、可能になってきているものも増えてきています。
 
ですが、こういった知識とそれを行うための技術を蓄えて、日々勉強をしている歯科医師というのはとっても少ないと感じます。
 
なぜなら、歯科医師が個人で論文などの研究結果を読み、新たな治療を行った歯科医師に学びに行き、機材を揃えて実践するということのハードルが高く、日々の診療に追われてしまっていることが多いからです。
 
しかしながら、歯を本気で良い状態に持っていこうとするのであれば、こういった知識や技術のある歯科医師に診てもらうことがとても大切です。
 
当医院でも、根管治療に対する新たな知識と技術を常にアップデートしながら治療を行っておりますので、もしご興味のある方はお問い合わせくださいね。

ポイント3 何度も回数を重ねる根管治療はよくない

最近の研究結果でも出ていますが、根管治療を成功に導くためには、できる限り少ない回数で治療を終えるということと大きく結びつきがあると言われています。
 
つまり、少ない回数で治療を終えることができれば、治りが良くなることも多いということです。

 


根管治療は複雑なことも多く、根っこの先まで到達したかを確認する機械の反応がなければ、何度も歯科医院に通ってもらい仮の蓋を外して根管治療を行っているところが多いです。
 
しかしながら、お口の中にある唾液には、細菌が含まれていることも多く、何度も治療をすれば、治療中の根管内部に細菌が入り込んでしまう可能性も高まります。
 
こうすることで、せっかく治療を行っていたとしても、さらに細菌が根管内部に入り治りにくくなることがあります。
 
もちろん、ラバーダムなどの唾液が入らないようにする工夫をすれば、唾液からの感染というところは防ぐことができますが、

 


それでも、何度も治療を行うと成功率というものは下がっていってしまうので、できるだけ少ない回数で根管治療を行うことが大切です。

しかしながら、こちらも何度も回数をかけて治療を行っている歯科医師の方も多いと思います。
根管内部は複雑なので、保険診療で使用できる限られた材料では仕方のないことなのかもしれませんが、人生100年時代と言われている今、できる限り歯を長持ちさせるためには、根管治療を丁寧かつ速やかに治療をすることはとても大切です。

ぜひ、何度も治療に回数がかかっている方は、一度根管治療専門医にご相談されることをお勧めします。

以上で「根管治療は歯科医師によって雲泥の差がある」ということについてのミニセミナーを終わります。
根管治療は難しく、治療をしきれていない場合も多いです。
それは、歯科医師の知識や技術によっても、成功率が変わってくるということにもよります。
もし、根管治療でお困りのことがありましたら、当医院ではこういった新たな治療や新たな研究結果も学び治療を行っておりますので、ぜひお問い合わせくださいね。

 

40代で虫歯だらけの手遅れにならないために大切なこと

今回は「40代で虫歯だらけの手遅れにならないために大切なこと」について、3つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
食後の歯磨き
 
■ポイント2
食生活の改善
 
■ポイント3
ストレス回避
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 食後の歯磨き

1つ目に大事なことは「食後の歯磨き」です。
 
食後のお口の中に残った食べカス(糖)をエネルギーとして、プラークと呼ばれる細菌の塊が歯に付着します。
そのプラークは、酸を出して歯を溶かすので、歯は虫歯になってしまいます。
 
プラークは粘着性のある物質です。
歯にべったりと付着していますので、ハブラシを使ってブラッシングしなければ、落ちてくれないのです。ハミガキは、歯科医学的に最も重要な、口腔内を健康的に清潔に保つ効果的な予防処置であり虫歯や歯周病に対する重要な治療の一つなのです。

 


ポイント2 食生活の改善

2つ目は「食生活の改善」です。
間食も間食後のハミガキは、通常の食事と同じように大切になります。
となると、ハミガキの回数は、1日3回では済まなくなりますよね。
楽しみにしているスイーツなどは、デザートとして食後にいただくことが、その後ハミガキが出来るので理想です。
また、お砂糖の入っている飲み物や、のど飴なども危険です。
その都度、ハミガキをするのが難しいからです。食生活の改善を図って食べるタイミングを考えてみてください。



 

ポイント3 ストレス回避

3つ目は、「ストレスを回避する」ことです。
そして、ストレスをためない!ストレスで起こる、はぎしり食いしばりは、自覚症状のない方が多いのですが実は誰もが起こりうる現象です。
 
虫歯の原因となる、はぎしり食いしばりをなるべくしないように、ストレスを溜めない日常を送ることが大切です。
甘いスイーツなどで癒されて、ストレスを発散することは、とてもいいこと。
ですが、食べるタイミングには、ご注意ください!

 


まとめ

・歯ブラシでプラークを取ることが大事
・デザートは食後にすぐに行くことが大事
・ストレス回避をすることで、歯軋り回避に繋がり、虫歯もできにくくする

 

根管治療の5つの失敗症状

今回は「根管治療の5つの失敗症状」について、5つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
痛み
 
■ポイント2
腫れがある
 
■ポイント3
膿が出てきた
 
■ポイント4
出来物ができた
 
■ポイント5
違和感がある
 

以上の5つのポイントについて解説します。

ポイント1 痛み


痛みという症状は緊急度が高い症状です。そして、その「痛い」も4つに分かれます。
緊急性の高い「痛み」から解説していきますね。
 
1つめは「何もしなくても痛い」ということです。
迷うことなく、すぐに歯医者に電話をしてください。
そして「何もしなくても痛い!」ことを電話で伝えましょう。
そうすると、受付も「緊急度高い!」と判断できます。
根管治療の失敗が原因で、何もしなくても痛いという症状が出現する時があります。時には、夜も眠れないほどの激痛です。歯を支える骨の内部に膿が溜まったり、ガスが溜まったりすることで骨が風船のようにパンパンになります。
それにより、「何もしなくても痛い状況(自発痛:じはつつう)」になることがあります。
他には歯が割れてしまったり、ヒビが入っていることもあります。
また、自分が痛いと感じている歯とは違う歯に大きな虫歯があり強い痛みが出ている場合もあります。
どの様な原因であれ「非常に緊急度が高い」状況ですので、迷わず歯医者に電話をしましょう。
2つ目は、「噛むと痛い」ということです。

 


実は、様々な原因が考えられ歯医者でしっかりと原因を特定してもらうことがポイントになります。その時に、レントゲンや歯茎の検査も必須になるので歯医者で診てもらうことが非常に重要です。放置すると「何もしなくても痛い」という超緊急事態に移行する可能性があります!
噛むと痛い場合、歯の根の先から、歯の周り(歯周組織)に。細菌による炎症が広がっている状態が考えられます。
根管治療の失敗が原因で出現することが多いですが、その他、歯の根が割れていたり(歯根破折:しこんはせつ)、重度の歯茎の病気(歯周病:ししゅうびょう)があったり、過度の噛み合わせ力が加わっていたり(咬合性外傷:こうごうせいがいしょう)など非常に多くの原因が考えられます。様々な症状との組み合わせで出現していることも多く見られます。
忙しくても、2,3日中に歯医者に行きましょう!
3つ目は、「歯茎を押すと痛い」ということです。

 


この場合も、なるべく早く歯医者を受診しましょう!
なぜなら、押すと痛い場合、歯茎の内部に膿がたまってきている可能性があるからです。特に、歯茎の根の先に相当する部分を、指で押すと痛い!ということがあります。専門的には圧痛(あっつう)と呼びます。歯の根の先で細菌が増えてしまい炎症が起こっていたり、膿やガスが溜まっていることが多く見られます。歯茎が全体的に腫れている場合は、歯茎の病気(歯周病:ししゅうびょう)も疑われます。
膿がたまり続けると、急激な痛みになる場合と、歯茎に穴が出来て膿が出ることで圧力が下がってあまり痛まない場合があります。どちらになるかは、予測がつきません。時限爆弾を抱えて、不安な状態で過ごすのではなく、少しでも早く歯医者を受診しましょう!
4つ目は、「なんとなく痛い」です。
この状態は「緊急度はあまり高くない」と考えられます。よって、明日すぐに歯医者を急患で受診する必要はありません。しかしながら、レントゲンをとると「歯の根の先に病気」が出来ていて治療が必要な場合が多くあります。
よって、歯医者に電話をして1,2週間先でも良いので予約を取り受診しましょう。

 

ポイント2 腫れがある


腫れも痛みと同様に緊急性が高い場合があります。
腫れにも大きく2つに分けられますが、外から見ても、明らかな顔が腫れている場合は大至急、歯医者にいきましょう!この状態は、いつ「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と呼ばれるキケンな状態になってもおかしくありません!
この状態になると、口が開けれなくなったり、時には呼吸困難の状態になり命に関わる場合があります。顔の腫れが大きく一般の歯医者では対応が出来ない場合、病院の救急外来で抗生剤の点滴を受けるよう指示が出ることがあります。場合によっては、入院することもあります。
腫れが歯茎のみで痛みがない場合は、超緊急ではありません。仕事終わりや、翌日に歯医者にいきましょう。ここで注意!家に余っている抗生物質や家族が持っている抗生物質を使用することは絶対に止めましょう!
なぜなら、中途半端に薬を飲むことで、今後、同じ抗生物質を飲んでも倒すことができない細菌(薬剤耐性菌)が出来てしまう可能性があります。そうすると、将来、他の病気にかかった時に「治らない」状態になり命を落としてしまう例もあります。

 

ポイント3 膿がでてきた

膿が出ている場合は、歯医者を予約し1〜2週間以内に受診しましょう。膿が出ている場合、膿が流出して歯茎の内部の圧力が低下しているので、意外と痛みが少ないのです。しかし、膿は歯茎の内部で「細菌と体が戦っている証拠」です。歯医者を受診して原因を特定しましょう。

 

ポイント4 出来物ができた

出来物ができていても痛みがない時は多くの場合、緊急性はありません。

 


代表的な歯茎の出来物は、サイナストラクトと呼ばれます。
歯の根の先で細菌が増えて、膿を作り出していることが考えられます。
この場合、緊急性は高くありません。
その出来物の真ん中あたりに見られる小さな穴から内部に溜まった膿を排出しています。そうすることで、歯茎の内部に膿がパンパンに溜まり痛みが出ることを防いでいます。
やはり、この状況も体調不良や疲労などで出現したり消失したりする方もいます。例え、根管の先には相当な量の細菌が増殖していると考えられ流ので消失したとしても歯医者に行く必要があります。
 
また、非常に稀ですが、根管治療が失敗したのではなく、癌が原因で腫れている場合もあります。

 

ポイント5 違和感がある

 


根管治療の失敗が原因で、「歯が浮いた様な違和感」が出ることがあります。
今すぐ、歯医者に行く必要はありません!
一般的に、歯の根の先に膿が溜まったり炎症が起きたりしていると、その影響で歯が浮いた感じがすることがあります。これは、歯茎の腫れや出来物、噛んだら痛いなどの症状が併発していることもあります。多くの場合、「何もしなくても痛い」という状況ではありませんが、「治療が必要だ!」という体からの大切なサインとされています。
 
以上が、根管治療が失敗した時に出てくる症状でした。

 

まとめ

・痛みや腫れは緊急性が高い場合があるため、早急な歯医者さんの受診が必要
・痛みにも4つの部類に分かれ、何もしなくても痛い場合には早急に治療が必要
・出来物が根管治療からによるものもあれば、癌などそうでないものもあるため、歯医者さんでの診断が大事
・違和感がある場合も、早急にではないがなるべく早く歯医者を受診し診てもらうことが大事

 

ラバーダムはしんどくないのか

今回は「ラバーダムはしんどくないのか」について、3つのポイントで詳しくお話しします
 
■ポイント1
溜まった唾液は飲み込んでもいいのか
 
■ポイント2
ラバーダムをつけても息はできるのか
 
■ポイント3
途中でうがいはできるのか
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 溜まった唾液は飲み込んでもいいのか


答えは「はい!」
 
溜まった唾液を飲み込んでも大丈夫です。
ラバーダムをしているので、使用するお薬や、治療時の水はお口の中には流れ込みません。
しかし、ご自身で作り出す唾液は溜まってしまいます。
その唾液は途中で飲み込んでも大丈夫です。
ただ、装置をつけている状態での唾液を飲み込む作業は難しく感じられる方もおられます。
そういった時は、アシスタントがお口の横から唾液を吸い込むことができるので、ご安心ください。
また、ずっと吸い続けて欲しい方に対して、吸い続ける道具というものも存在します。
よって、治療に行かれた際に、担当の術者に聞いてみるということが良いと思います。

 

ポイント2 ラバーダムをつけても息はできるのか

こちらも答えは「はい!」

 


ただし基本は鼻で呼吸してもらえると苦しくなく、診療することができます。
花粉症で、鼻で息ができない。
いつも口呼吸です。
といった方も、ご安心ください。
唾液が溜まると横から吸引することができるので、ある程度お口での呼吸も可能です。
当医院では、患者様への声かけを大切にしているので、「唾が溜まった時には、左手をあげて教えてください。」と常に確認を取りながら進めております。

 

ポイント3 途中でうがいはできるのか

こちらの答えは「いいえ」です。

 


前述にもありましたが、根管治療の大敵はご自身が作り出す唾液です。
うがいをするには、ラバーダムを外さなければなりません。
そうすることで、治療中の根っこの中に唾液が入ると感染してしまい成功率も下がってしまいます。
ですので、基本はラバーダムを治療中に外すことはできません。
しかし、途中でどうしてもうがいがしたくなった時には、必ず術者にお知らせください。
仮のフタをしてラバーダムを外したりと、術者に知らせることで対策をしてから外すことができるので、もしもの場合はお知らせいただくと、感染を防ぐこともでき、外すことも可能です。

 

まとめ

・溜まった唾液は飲み込んでもいい
・ラバーダムをつけていても息はできる
・ラバーダム中のうがいはできない

 

ひどい虫歯に対してよくある4つのQ&A

今回は「ひどい虫歯に対してよくある4つのQ&A」について、お答えします。
 
■Q1
放置しすぎて歯医者にいくのが気まずいし、恥ずかしいです
 
■Q2
ひどい虫歯もきれいになりますか?
 
■Q3
ひどい虫歯は銀歯になるのでしょうか?
 
■Q4
ひどい虫歯を放置すると脳にバイキンが回るって本当ですか?
 

以上の4つのQ&Aについて解説します。

Q1.放置しすぎて歯医者にいくのが気まずいし、恥ずかしいです


A.そのように、おっしゃる方、実は多かったりします。しかし、歯科医院は、そのような患者さんのために、存在しています。恥ずかしがったりする必要はありません!万が一、怒るような歯科医院があれば、変わりましょう。

 

Q2.ひどい虫歯もきれいになりますか?


A.芸能人のレベルを求めなければ、かなりの確率でキレイに治すことが可能です。しかしながら、丁寧な治療と、ある程度の期間が必要になることがあります。

 

Q3.ひどい虫歯は銀歯になるのでしょうか?


A.部位や本数にもよりますが,最近は保険診療の範囲でも「白い歯」を入れられる対象が少しずつ増えてきています。ただ、保険診療では、どうしても銀歯になってしまうこともあります。部位や大きさによっては銀歯を回避できることもありますので、歯医者で相談しましょう!

 

Q4.ひどい虫歯を放置すると脳にバイキンが回るって本当ですか?


A.本当です。割合は多くはありませんが、虫歯の細菌が脳に進んでいき「脳静脈血栓症(のうじょうみゃくけっせんしょう)」と言う病気を発症することがあります。脳の静脈に血栓を引き起こし脳梗塞などのリスクにつながります。また、口の中は血管が多いので虫歯や歯周病を放置すると、多くの細菌が全身を廻ります。
その結果、脳静脈血栓症以外にも様々な病気に繋がっていく可能性があります。

 

まとめ

ひどい虫歯になったとしても、早期に治療をすることが歯のためにも、体のためにも大切です。
行く勇気がいるかもしれませんが、ぜひ治療も頑張っていただければと思います。

 

抜歯をせずに歯を残す方法

「抜歯をせずに歯を残す方法」について5つのポイントで解説
 
■ポイント1
精密根管治療を行う
 
■ポイント2
歯冠長延長術を行う
 
■ポイント3
歯根端切除術を行う
 
■ポイント4
意図的再植術を行う
 
■ポイント5
エクストリュージョン治療(矯正治療)を行う
 

以上の5つのポイントについて解説します。

ポイント1 精密根管治療をする

まず始めに、精密根管治療についてです。
精密根管治療とは、マイクロスコープ(顕微鏡)やCTなどを活用した根管治療です。


マイクロスコープやCTがあることで、根っこの中の複雑な状態が分かり、再治療のリスクを抑えることができます。
 
実際の根っこの中というものはとても複雑です。
根管同士が繋がってしまっていたり、肉眼では見えない根管が存在したり、また根管の先で枝分かれしていることもあります。

 


しかしながら、歯科医師はイラストに写っている範囲でしか歯を見ることができず根管治療は言わば手探りで治療をしています。

 


「精密根管治療」では、この複雑な根っこを治療するにあたって、どのような形をしているのか、根っこの数がどれぐらいあるのかなどを、マイクロスコープやCTを使うことで分かります。
分かることで、感染している場所を見つけることができ、再治療の可能性をグンと下げることができます。
つまり、マイクロスコープやCTを活用することで、抜歯を回避できる可能性が広がるということです。
 
また、設備が整っているだけではいけません。
 
治療を行う歯科医師の技術と知識があることもとても大切です。

 


医療は日々進化し続けており、1年前に良いとされていたことが、1年後にはさらによくする方法が出ることもよくあります。
 
それを論文などからしっかりと知識を得て治療を行うことがとても大切です。
 
さらに、論文を読んで、機材が揃っているだけでもよくありません。
大切なことは、治療を行うための技術があることです。
 
複雑な根管の治療を行うためには、機材を使いこなすことが不可欠だからです。
 
ですので、根管治療を行う際には、こういった「精密根管治療」を受けていただくことをお勧めします。

 

ポイント2 歯冠長延長術を行う

精密根管治療をすることで多くの歯を残すことが可能ですが、それを行うだけではよくならない場合があります。
今からは、その精密根管治療以外の治療方法をお伝えしますね。
歯茎の下まで歯が割れていると、無理やり残して再治療になるか、抜歯になるかの選択が従来ではほとんどでしたが、実はある方法で治療が可能になりました。

 


歯茎を外科的に下に押し下げてあげることによって、歯茎の中に埋もれていた虫歯や病気が外に出てきて、取り除くことができ、抜歯をせずに歯を残せる可能性が増えました。
ただし、外科の治療になるので、一定程度の痛みや腫れを伴うことがあります。
ですが、痛み止めが効く程度の痛みですし、

 


1週間もすれば多くの場合、痛みは落ち着きます。
本来抜かなければいけない歯を、残せる可能性のある治療方法ですので、リスクはもちろんありますが、成功すれば長期的にご自身の歯で生活することができるので、必要な場合には歯冠長延長術の治療を受けていただくこともお勧めします。
アスヒカル歯科でも、歯間長延長術の治療は頻繁に行なっているので、質問などありましたらお気軽にお問い合わせくださいね。
ご自身の歯が残せるかどうかは、ご自身で見つけることは難しいです。
ですので、きちんと歯医者さんで診断してもらうことが大切です。

 

ポイント3 歯根端切除術を行う

根管治療をしても改善されない場合は、外科的根管処置を併用することで抜歯をせずに改善されるケースが多くあります。
その1つが「歯根端切除術」と呼ばれる治療方法です。

 


名前だけ聞くと、難しいなと感じられると思いますので、どのような治療なのかを説明していきますね。

 


まず普段の根っこの治療というものは、歯の上から治療を行います。


このように歯の上から死んでしまった神経をとったり、消毒やお薬を詰めるという流れで行います。
しかし、長年治療を受けずに放置をしていたりすると、根管治療をしようとしても根っこがいたはずの空洞が硬く詰まってしまい治療が根っこの先までできないことがあります。
また、根っこの先の膿がなくならずい続けてしまい、痛みや、歯を支える骨を溶かしてしまいます。
そうなると、単なる根管治療だけでは、改善することが難しくなります。
そこで、根っこの先から悪い病原菌(膿)を取り出して、お薬をつめてあげるという方法が「歯根端切除術」と呼ばれるものです。

 


治療の流れとしては、歯茎をめくり、膿が溜まっているところの覆われた骨を削ります。
その後、根っこの先に詰まった、肉芽や嚢胞と呼ばれるような悪さをしている原因を取り除き、お薬を根っこの先から詰めて、骨が再生してくるかを見るという治療方法です。
こうすることで、根っこの先にいた膿も取り除くことができ、より歯の寿命を伸ばすことができます。
痛みについては、もちろん外科治療ですので、多少の痛みと腫れがありますが、この治療も歯冠長延長術と同様に、1週間程度で落ち着くことがほとんどです。
痛みがある場合には、痛み止めを飲むことで痛みなどの炎症を抑えることができます。

 


しかし、この方法はよく見える前歯には向いていますが、奥歯は見えづらいということで、治療をするのはかなり難しいです。
ですので、奥歯では適応はあまりされません。
また、この治療方法を取り入れている歯医者さんもあれば、そうでない歯医者さんもある治療方法ですので、事前に確認を取るということが大切です。

 

ポイント4 意図的再植術を行う

先ほどのお話しで、「奥歯は治療できないの?」と思われたのではないでしょうか。
奥歯は奥歯の方法を使えば治療することができ、歯の寿命を少しでも伸ばすことが可能です。

 


奥歯の場合も、前歯と同じで、長年治療を受けずに放置をしていたりすると、根管治療をしようとしても根っこがいたはずの空洞が硬く詰まってしまい、根管治療をしても改善されない場合があります。
また、根っこの先の膿がなくならずい続けてしまい、痛みや、歯を支える骨を溶かし続けてしまう場合もあるのです。
奥歯の場合も根っこの先からお薬を詰める処置はしますが、前歯のように歯茎をめくって治療をするのではなく、「1度歯を抜いて、悪い部分を取り除き、また元に戻して固定をする」という方法があります。

 




奥歯の根っこの形は【樋状根】という形をしている人もいて、樋状根は根っこの治療しても再発を繰り返したり、改善しない場合が多く、そう言った時に意図的再植が最適とされています。

 


こうすることで、根っこの先の膿も取り除くことができ、抜歯を回避することができます。
ただ、抜くときに歯が割れてしまうなどのリスクがあります。
痛みに関しては1週間程度で落ち着いてくることがほとんどです。
ポイントは、一度歯を抜いていますので、そこの部分で物を噛まないということがとても大切です。
特に、硬いものなどを治療したところで噛んでしまうと、せっかくよくなっていたとしても、歯が揺れ出したりして、抜け落ちてしまう可能性もあるからです。
歯科医師の確認が取れるまでは、噛まないように注意しましょう。
こちらの「意図的再植術」もかなり難易度の高い治療方法です。
どの歯科医院でも行っている治療ではなく、治療を行っていたとしても精密に治療をやり遂げるにはかなりの技術が必要です。
ぜひ、ホームページなどで確認していただき、納得してから治療を受けられることをお勧めします。

 

ポイント5 エクストリュージョン治療(矯正治療)を行う

実は外科処置以外にも、矯正治療を用いた治療を行うことで歯を残せる可能性がある場合があります。
虫歯が歯茎よりも下にできてしまっていたり、歯の上の部分の欠けができた場合などに適応される治療方法で、歯を引っ張り出す治療方法です。


矯正治療と書いてありますが、よく知られている全ての歯に装置をつける治療方法ではなく、引っ張り出したい歯にのみ針金とゴムを使って引っ張り出してくる治療方法です。
上記にもありましたが、従来は歯が割れたり、虫歯が歯茎よりもしたで進んでいる場合は抜歯になっていましたが、歯を引っ張り出してあげることで歯を残せる可能性が広がりました。
しかし、この方法も全ての歯医者さんで行われているわけではありませんので、事前に確認を取ることをオススメいたします。
このエクストリュージョン治療は、単体で行われることは少なく、歯冠長延長術とともに治療されることが多いですので、どちらの治療も行っているかの確認を取ることが大切です。

 

まとめ

・抜歯回避のためにできることは5つ
・CTやマイクロスコープを用いた精密根管治療を行う
・外科的に治療をし残す方法と、矯正を用いた方法で抜歯回避が可能
・治療を行っているか、行っていないかは歯科医院によっても異なるため、事前の確認が必要

 

根管治療の期間に差が出る原因

今回は「根管治療の期間に差が出る原因」について、4つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
神経の通り道が枝分かれしている
 
■ポイント2
根っこの中の管が硬く通り道が塞がっている
 
■ポイント3
見落とされがちな根管を見つけるために時間がかかる
 
■ポイント4
根っこの先が曲がっている
 

以上の4つのポイントについて解説します。

ポイント1 神経の通り道が枝分かれしている


神経の通っている管が先で枝分かれをして迷路のようになっていることがあり、治療期間を有してしまうことがあります。
なぜなら、枝のように分かれているところを全て消毒するということが難しいからです。
もし消毒が行き届いていないと、根管治療の再発にもつながります。

 


細く、複数にもなっている根管に、消毒液を流し込み殺菌することは難しいですよね。
ですので、神経の通り道が枝分かれしていると、治療期間が平均よりも長く必要になります。

 

ポイント2 腫れはいつまでつづくのかについて


根っこの中の管が硬くなり、通り道が塞がってしまっていることがあります。


こちらのレントゲン画像を見てみましょう。
黄色い矢印の歯には黒い線が見えますよね?
これが神経の通り道です。
この通り道がはっきりとわかる場合は治療もしやすいですが、硬く塞がってしまっている場合の治療は大変です!
塞がっていても病気ができていなければ、治療をしなくていいこともあります。
しかし、病気ができている場合は治療が必要です。
もちろん、治療期間は通常よりかかることも分かりますよね。
「塞がっているのに治療ができるの?」
このような思いをされたのではないでしょうか。
実は、術式次第でこの塞がってしまった管を開けられることもあります。
また例え開けられなかったとしても開くところまでしっかりと掃除をしてあげると62.5%の確率で良くなることがデータにも出ています。
それでも難しく、病気が無くならない場合は外科処置をすることで病気を取り除けることもあります。
いずれにせよ、塞がってしまい病気ができている根管を治療するには、期間も通常より長く必要となります。

 

ポイント3 見落とされがちな根管を見つけるために時間がかかる


患者さんによっては見落とされがちな根管が潜んでいる場合があります。
特に上の奥歯において、今までは「3本の根管でできている」というのは歯医者業界では一般的でした。
しかし、もう1つの根管があることがとても多いということが最近の研究で明らかになってきました。
ですが、その根管は非常に細く肉眼で見ることは困難なために、歯科医師に気づかれずそのまま見過ごされてしまっていることもこれまでは多かったのです。
最近では、C T撮影が可能になったり、マイクロスコープを使うことで発見されることも多くなり、この4つ目の根管の治療が重要視されるようになりました。
もし、この根管の発見がされないと、その根管が原因で再治療になる頻度も高かったという結果も出ています。
これほど見つけにくい根管であり、見つかった後も他の根管と同様に消毒をしていかなくてはならないので、治療期間も通常より必要になります。

 

ポイント4 根っこの先が曲がっている


レントゲン写真のように、根っこの先がクイーンとまがった根っこの場合もあり、曲がった根っこも治療が難しく、治療期間に差が出る原因とされています。

 

まとめ

・根管治療というものは形が様々な場合が多数存在する
・根っこの先が枝分かれしていると期間が長くかかる
・根っこの中の管が硬く通り道が塞がっていると期間が長くかかる
・見落とされがちな根管が潜んでいると期間が長くかかる
・根っこの先が曲がっていると期間が長くかかる

 

根管治療で起こる腫れた時の対処法

今回は「根管治療で起こる腫れた時の対処法」について、3つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
腫れた時の対処法
 
■ポイント2
腫れはいつまでつづくのかについて
 
■ポイント3
腫れた時にしてはいけないこと
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 腫れた時の対処法

腫れた時の対処法は大きく2つあります。
1つめは「ロキソニンなどの炎症を抑える薬を飲むこと」です。
もしも、歯茎や頬が腫れた場合は抗生物質を。
加えて痛みもある場合は一緒に痛み止めを服用するのが良いかもしれません。
薬は歯医者に腫れた旨を伝えて薬をもらい、薬を服用して様子を見てください。
急に腫れてきた・痛みが出たということは、今その時が一番細菌が活発化して炎症レベルが高い時です。
抗生物質は細菌の活発化を抑えてくれる作用があるので、服用することによって一時的に落ち着くでしょう。
それで症状がなくなれば、時間があるときに歯医者を受診して原因を追及し治療をすることをお勧めします。

 


2つ目は、「すぐに歯医者さんを受診する」ことです。
薬を飲んでも腫れ・痛みが全く落ち着かないという場合はすぐに歯医者に受診しましょう。
炎症がかなり強く、状態によっては歯茎の中に膿が溜まって圧迫されて痛みが出ている可能性があります。
そうなった場合は、歯茎を少し切って膿を出してあげることでかなり腫れや痛みを和らげることができます。
しかし、それはあくまで一時的な応急処置になるので、その後の治療も必要になります。

 

ポイント2 腫れはいつまでつづくのかについて

腫れが続く期間には個人差があります。
何故なら腫れている原因によっては、「根管治療」や「歯周病治療」をしないと治らない場合が多いからです。そして、その時の体調によって腫れたり腫れなかったりと変化することもあります。
だから、「腫れをちゃんと治そう」と思うと根本的な原因を知り、その原因に対しての治療を行うことが治る近道です。

 

ポイント3 腫れた時にしてはいけないこと


歯茎や頬が腫れた時に、冷やしたらマシになるのではないかと思い冷やす人がいますがそれはしてはいけません。
冷やすことによって血流が低下し、細菌と闘う免疫が到達しにくくなる可能性があるからです。
しかし、冷やしてはいけないのは「細菌感染による腫れ」だけなのです。
抜歯した後に腫れてきたりなどの物理的な炎症の場合は、適度に冷やしても大丈夫です。
どちらか分からない不安な場合はむやみに冷やさない、もしくは歯医者に電話して聞いてみるといいでしょう。

 

まとめ

・腫れた時は、一旦痛み止めや抗生物質で様子を見るか歯科医院を早急に受診する
・あくまでも薬は一時的な対処法なので、しっかりと根本原因から対処することが大事
・腫れが続く期間は個人差がある。早期の治療が大事
・腫れがある時に、冷やすことはよくない

 

歯の神経を取る治療の基礎知識2

今回は「歯の神経を取る治療の基礎知識PART2」という事で以前にも、神経を取る治療の基礎知識の動画を出していましたが、お伝えしきれなかったことを3つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
抜髄した歯はどうなるのか
 
■ポイント2
抜髄治療の期間や回数について
 
■ポイント3
抜髄にならないために日頃から気をつけておくべくポイントについて
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 抜髄した歯はどうなるのか


抜髄治療で歯の神経をとった後、「その歯はどうなるのか」について説明したいと思います。
 
抜髄治療をした歯は、元々の自分の歯と比較して割れやすくなります。
特に力のかかる奥歯は、割れてしまうと抜歯になるリスクが高くなるので、
歯が割れるリスクを下げるためにも、図のような被せ物にします。
 
被せ物をせずに放置したり、樹脂や小さな金属で詰める治療を行なった場合は、
被せ物をした場合よりも6倍も歯が割れるリスクが上がるのです。
 
つまり、抜歯になるリスクが何倍も膨れ上がります。
ですので、抜髄治療で痛みが消えた!としても、そこで治療を中断してはいけません!
途中で治療をやめてしまった場合は、再治療が必要になります。
そうすると、歯に大きな負担がかかることで、歯の寿命が短くなります。
最後まで、治療に通うことが最も大切です!

 

ポイント2 抜髄治療の期間や回数について

こちらの図は、虫歯で神経の治療に必要な回数や期間についてまとめています。
1週間に1度の治療で、1回の治療時間も30分で治療したものとして示しています。


歯の根っこの治療の期間は、治療の条件によって変わります。
その理由は、前歯と奥歯での根っこの数に違いがあるからです。
また、保険診療でこれ以上に期間が短い場合は、治療がきちんと行き届いていない可能性もあるぐらい、根管治療は非常に複雑で時間がかかります。
 
最近の研究では、1回の治療時間を長く、できる限り少ない回数でした方が治療の成功率も上がるという結果も出てきていますので、こういった方法を取ることも保険診療では限界があることがあります。

 

ポイント3 抜髄にならないために日頃から気をつけておくべくポイントについて

ポイントは大きく2つあります。
1つめのポイントは「虫歯にならないようにする」ことです。
もちろん、しっかりと歯みがきをすることは大切です。
しかし、最も大切なことがあります。それは「食生活」です。
特に、甘い飲み物をチビチビと長時間に渡り飲み物を飲んだり、寝る前に飲食をすることは虫歯の発生に直結します。
2つめのポイントは「虫歯を早期発見すること」です。
どんなに気を付けていても、生まれつきの唾液や歯の性質で虫歯になりやすい方もいらっしゃいます。
ですので、定期検診に通院し「虫歯が出来ても、小さい虫歯のうちに発見して治療する」ことで、神経の治療を回避することができます。
 
「痛くなってから歯医者にいく」という方は、神経の治療が必要になる可能性が高くなります。
 
歯医者に定期検診に通う方は、近年、非常に増加しています。
定期検診の経験がない方は、是非、お近くの歯医者にて検診をしてもらいましょう。

 

まとめ

・抜髄をした歯は、割れやすくなるため、最終的には被せ物を入れることが大切
・根管治療の治療回数や期間は、治療の条件によっても異なる
・前歯と奥歯では根っこの数が異なる
・抜髄にならないためには、「虫歯にさせないこと」「虫歯の早期発見」が大切