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根管治療のスペシャリストが解説 歯根嚢胞の抜歯後 治る経緯と予想される合併症

今回は「根管治療のスペシャリストが解説 歯根嚢胞の抜歯後 治る経緯と予想される合併症」について、2つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
抜歯後の治る経緯
 
■ポイント2
抜歯後の予想される合併症
 

以上の2つのポイントについて解説します。

ポイント1 抜歯後の治る経緯

歯の根っこの先に膿が溜まると、膿の大きさによっては抜歯が必要になることがあります。
抜歯後どのように治っていくかについて、解説していきます。

 


歯を抜くと、骨や歯茎がぐーんと下がります。
特に、歯根嚢胞が大きい場合には、すでに骨が吸収されてなくなっている場合があるので、骨の量がすくなる可能性は大きいです。
 
骨が少なくなったり歯茎が下がることで、抜歯をした後の入れ歯やインプラントをする時に大きく影響を及ぼします。

 


例えば、入れ歯であれば、骨が少ないと入れ歯の安定が悪く、ぐらついてしまったり、すぐに落ちてしまいやすかったりします。
インプラントであれば、インプラントは骨にネジを埋めるので、骨の量が少ないとインプラントが入れられなかったり、骨を増やす治療が必要となることがあります。
 
そうならないためにも、歯を抜く際に骨の元を入れてあげる「ソケットプリザベーション」という治療がありますので、抜歯時に事前に骨の減りを未然に防ぐということも大切です。

 

ポイント2 抜歯後の予想される合併症

抜歯後の予想される合併症についてです。
歯根嚢胞がある場合の抜歯に限るというわけではありませんが、抜歯とは外科治療になりますので、一定程度の合併症があります。
まず、抜歯をする時には麻酔を行います。

 


みなさんがそうというわけではないですが、麻酔薬によるアレルギー症状を出される方もおられます。
以前にしんどくなってしまった症状がある場合には、事前に歯科医師にお伝えいただくことが大切です。
また、歯を抜くことで腫れたり、痛みが出る可能性があります。
歯を抜いた当日よりも、歯を抜いてから2〜3日後がピークになります。
その後は1週間程度かけて落ち着いていきます。
痛みや腫れは、痛み止めを飲むことで落ち着きますので、我慢せずに飲むことが大切です。
 
 
他にも、外科治療には合併症が少なからずあります。
どれもがどの方に適応されるとは限りませんが、持病があったり服用しているお薬があるなど、何かあれば治療の前に歯科医師に伝えることが大切です。
よくご理解いただいてから治療をお受けしていただければと思います。

 

まとめ

・抜歯後歯を抜くと、骨や歯茎が下がりやすくなる
・抜歯時に骨を減りにくくする治療がある
・抜歯後は麻酔のアレルギーや痛みや腫れの症状が出る場合がある

 

出来物の原因は根の先から飛び出た感染した材料だった

出来物の原因は根の先から飛び出た感染した材料だった

 

治療前 治療後

 

項目 詳細
年齢・性別

20代・男性

年齢・性別 20代・男性
ご相談内容症状

歯茎に出来物が出来て、治らない

ご相談内容症状 歯茎に出来物が出来て、治らない
診断治療内容

診察・検査を行ったところ、患者さんの仰る通り、歯茎に出来物がありましたが打診痛(※1)・咬合痛(※2)など、痛みは無い状態でした。
 
対象の歯に装着されているクラウン(被せもの)が大きく調整され、内部のコア(土台)が見えており、歯の丈が短くなり、さらに挺出(※3)していました。
 
レントゲンやCTを撮影してみると、根っこの先は大きく骨が吸収して黒い大きな影となって写っていました。
さらに、ガッタパーチャ(※4)は根の先を突き抜けているため、除去する必要あります。
また、上顎洞粘膜(鼻の粘膜)が腫れているのも確認出来ました。
 
今回の症例では、精密根管治療(再治療・リトリ―トメント)をした後、意図的再植にて除去する必要があると診断しました。
 
また、クラウンが大きく調整され、歯の丈が極端に短くなっているため、最終の被せ物をする前には、歯冠長延長術(※5)が必要です。
 
※1
打診痛とは。
打診痛とは、歯科医が歯やその周囲の組織を軽く叩いた時に感じる痛みのことを指します。
この痛みは、歯や顎の特定の部位に問題がある場合に生じるため、歯科医は打診痛を利用して患部を特定します。
 
打診痛の検査方法は非常にシンプルです。
歯科医は小さな器具(通常は歯科用ミラーの柄の部分や専用の器具)を使用し、疑わしい歯を軽く叩きます。
この際、正常な歯ではほとんど痛みを感じることはありませんが、問題がある歯では叩かれた時に鋭い痛みや不快感が発生することがあります。
 
※2
咬合痛とは。
咬合痛とは、歯を咬み合わせる際に感じる痛みや不快感を指します。この痛みは、咀嚼(そしゃく)する動作で特に顕著に感じられることが多く、歯や歯周組織に何らかの問題が生じている際に発生します。
 
※3
挺出とは。
歯の挺出(ていしゅつ)とは、ある歯が正常な位置から前方や他の方向へ突出している状態を指します。
この状態は、歯列の整然とした配列が乱れる原因となり、見た目の問題だけでなく、咬合(かみ合わせ)の問題や口内衛生の問題を引き起こすことがあります。
 
※4
ガッタパーチャとは。
ガッタパーチャとは、歯科の根管治療に使用される材料です。
柔軟性がありながらも加熱すると形状を変えることができ、冷えると固まる特性を持っています。
根管治療では、虫歯や感染が原因で炎症を起こしたり、死んでしまった歯の神経(歯髄)を取り除く必要があります。
神経を取り除いた後、歯の内部は空洞になってしまいます。この空洞を放置すると、再び細菌が入り込み、感染が広がるリスクがあります。ガッタパーチャは、膨張性のあるバイオセラミックシーラーと合わせて使用する事で、この空洞をしっかりと封鎖し、細菌の侵入を防ぐために使われます。
 
※5
歯冠長延長術とは。
歯冠長延長術とは、歯の見える部分である歯冠の長さを人工的に延長する歯科治療です。この治療は主に二つの目的で行われます:美容的な理由と治療的な理由です。
 
美容的な目的
歯冠長延長術は、歯茎が通常よりも多く歯を覆っている「ガミースマイル(歯茎が目立つ笑顔)」の見た目を改善するために行われます。この手術により、歯茎のラインを調整し、歯が長く見え、よりバランスのとれた美しい笑顔を実現することができます。
 
治療的な目的
歯冠長延長術はまた、虫歯が歯茎の下まで及んでいる場合や、歯が折れて歯茎のライン下に残っている場合にも使用されます。通常、これらの状態では、新たに冠を装着するための十分な歯の高さが必要ですが、歯茎が邪魔をしていると冠を適切に固定できません。手術によって歯茎と骨を少し削り取ることで、必要な歯の高さを確保し、後の冠治療やその他の処置が可能になります。

診断治療内容 診察・検査を行ったところ、患者さんの仰る通り、歯茎に出来物がありましたが打診痛(※1)・咬合痛(※2)など、痛みは無い状態でした。
 
対象の歯に装着されているクラウン(被せもの)が大きく調整され、内部のコア(土台)が見えており、歯の丈が短くなり、さらに挺出(※3)していました。
 
レントゲンやCTを撮影してみると、根っこの先は大きく骨が吸収して黒い大きな影となって写っていました。
さらに、ガッタパーチャ(※4)は根の先を突き抜けているため、除去する必要あります。
また、上顎洞粘膜(鼻の粘膜)が腫れているのも確認出来ました。
 
今回の症例では、精密根管治療(再治療・リトリ―トメント)をした後、意図的再植にて除去する必要があると診断しました。
 
また、クラウンが大きく調整され、歯の丈が極端に短くなっているため、最終の被せ物をする前には、歯冠長延長術(※5)が必要です。
 
※1
打診痛とは。
打診痛とは、歯科医が歯やその周囲の組織を軽く叩いた時に感じる痛みのことを指します。
この痛みは、歯や顎の特定の部位に問題がある場合に生じるため、歯科医は打診痛を利用して患部を特定します。
 
打診痛の検査方法は非常にシンプルです。
歯科医は小さな器具(通常は歯科用ミラーの柄の部分や専用の器具)を使用し、疑わしい歯を軽く叩きます。
この際、正常な歯ではほとんど痛みを感じることはありませんが、問題がある歯では叩かれた時に鋭い痛みや不快感が発生することがあります。
 
※2
咬合痛とは。
咬合痛とは、歯を咬み合わせる際に感じる痛みや不快感を指します。この痛みは、咀嚼(そしゃく)する動作で特に顕著に感じられることが多く、歯や歯周組織に何らかの問題が生じている際に発生します。
 
※3
挺出とは。
歯の挺出(ていしゅつ)とは、ある歯が正常な位置から前方や他の方向へ突出している状態を指します。
この状態は、歯列の整然とした配列が乱れる原因となり、見た目の問題だけでなく、咬合(かみ合わせ)の問題や口内衛生の問題を引き起こすことがあります。
 
※4
ガッタパーチャとは。
ガッタパーチャとは、歯科の根管治療に使用される材料です。
柔軟性がありながらも加熱すると形状を変えることができ、冷えると固まる特性を持っています。
根管治療では、虫歯や感染が原因で炎症を起こしたり、死んでしまった歯の神経(歯髄)を取り除く必要があります。
神経を取り除いた後、歯の内部は空洞になってしまいます。この空洞を放置すると、再び細菌が入り込み、感染が広がるリスクがあります。ガッタパーチャは、膨張性のあるバイオセラミックシーラーと合わせて使用する事で、この空洞をしっかりと封鎖し、細菌の侵入を防ぐために使われます。
 
※5
歯冠長延長術とは。
歯冠長延長術とは、歯の見える部分である歯冠の長さを人工的に延長する歯科治療です。この治療は主に二つの目的で行われます:美容的な理由と治療的な理由です。
 
美容的な目的
歯冠長延長術は、歯茎が通常よりも多く歯を覆っている「ガミースマイル(歯茎が目立つ笑顔)」の見た目を改善するために行われます。この手術により、歯茎のラインを調整し、歯が長く見え、よりバランスのとれた美しい笑顔を実現することができます。
 
治療的な目的
歯冠長延長術はまた、虫歯が歯茎の下まで及んでいる場合や、歯が折れて歯茎のライン下に残っている場合にも使用されます。通常、これらの状態では、新たに冠を装着するための十分な歯の高さが必要ですが、歯茎が邪魔をしていると冠を適切に固定できません。手術によって歯茎と骨を少し削り取ることで、必要な歯の高さを確保し、後の冠治療やその他の処置が可能になります。
治療期間

約5ヶ月

治療期間 約5ヶ月
費用
※治療当時の価格表示となっております。

346,500円
<内訳>
リトリートメント…187,000円
支台築造…33,000円
意図的再植術…93,500円(当院でリトリートメント後、2年以内の意図的再植術は半額)
歯冠長延長術…33,000円

費用
※治療当時の価格表示となっております。
346,500円
<内訳>
リトリートメント…187,000円
支台築造…33,000円
意図的再植術…93,500円(当院でリトリートメント後、2年以内の意図的再植術は半額)
歯冠長延長術…33,000円
術後の経過
現在の様子

精密根管治療を始める際、既に歯の丈が短く、ラバーダムの装着が困難だったため、歯茎を少し切除しました。
その後、しっかりラバーダムを装着し、感染、防湿対策を行なった上で、精密根管治療を行いました。
 
精密根管治療後は意図的再植術を行い、飛び出したガッタパーチャと根尖病変の除去を行いました。
またクラウン装着のために歯冠長延長術も行いました。
 
かかりつけの医院様でクラウン治療を行うとの事でしたので、仮歯を入れて経過観察をしましたが、術後1ヶ月半頃にはすでに治癒傾向にあり、歯茎の出来物も消失。
術後1年では、骨の吸収、上顎洞粘膜(鼻の粘膜)の腫れも改善しており、最終の被せ物を装着され、問題なく過ごされています。

術後の経過
現在の様子
精密根管治療を始める際、既に歯の丈が短く、ラバーダムの装着が困難だったため、歯茎を少し切除しました。
その後、しっかりラバーダムを装着し、感染、防湿対策を行なった上で、精密根管治療を行いました。
 
精密根管治療後は意図的再植術を行い、飛び出したガッタパーチャと根尖病変の除去を行いました。
またクラウン装着のために歯冠長延長術も行いました。
 
かかりつけの医院様でクラウン治療を行うとの事でしたので、仮歯を入れて経過観察をしましたが、術後1ヶ月半頃にはすでに治癒傾向にあり、歯茎の出来物も消失。
術後1年では、骨の吸収、上顎洞粘膜(鼻の粘膜)の腫れも改善しており、最終の被せ物を装着され、問題なく過ごされています。
治療リスク

根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

治療リスク 根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

 

歯茎から膿が出て痛みがある 30代/女性

歯茎から膿が出て痛みがある 30代/女性

 

 

項目 詳細
年齢・性別

30代・女性

年齢・性別 30代・女性
ご相談内容症状

日によって痛みがあり、歯茎はブヨブヨしてる。
歯茎の出来物から膿のような物が出てくる。

ご相談内容症状 日によって痛みがあり、歯茎はブヨブヨしてる。
歯茎の出来物から膿のような物が出てくる。
診断治療内容

過去の虫歯治療で神経を残す治療をした後、今回の症状でした。
検査をすると、元のむし歯が深かったようで、
神経の検査をすると、半分は失活(※1)していました。
むし歯が神経に達して感染し、失活(※1)してしまった可能性があります。
 
CTを見てみると、根と根の間から根の先にかけて大きく骨が吸収されており、大きな黒い影となって写っています。
既に装着されている詰め物を外し、神経を取る治療・イニシャルトリートメントを行い、土台を立て(支台築造)、仮歯を入れて経過観察をします。
 
経過観察で、痛みや歯茎の状態、出来物などの症状が無くなっていれば最終の被せ物を装着していきます。
 
※1
失活とは。
一般的に「歯の神経が死んでいる」事を指します。
歯の内部にある組織、特に神経組織や血管が壊死したり機能を失った状態で、この現象は、歯の内部(歯髄)が何らかの理由でダメージを受けることによって起こります。ここでいう「神経」とは、歯の感覚を司る部分で、これが機能しなくなると、歯は痛みを感じる能力を失います。
 
歯の神経が死ぬ原因は様々ですが、主なものには以下のようなものがあります。
 
①虫歯
虫歯が深く進行し、歯の神経まで到達すると、感染症が発生し、最終的に神経が死んでしまいます。
 
②歯の破損
事故や怪我で歯が大きく破損すると、神経が露出し、感染や損傷を受けやすくなります。
 
③歯への過度な圧力
咬み合わせの問題や歯ぎしりなどによる過度な圧力が、長期間にわたって歯にかかると、歯の神経がストレスを受け、機能を失うことがあります。
 
神経が死んだ歯は感染のリスクが高まるため、放置するとさらに深刻な問題を引き起こす可能性があります。
治療としては、根管治療が一般的です。
これは、死んだ神経を取り除き、感染を清潔にして歯を保存する処置です。
治療後、歯は機能を維持できるものの、神経がなくなったことで以前よりも脆くなります。
そのため、治療した歯はしばしば補強のためにクラウン(人工のかぶせ物)でカバーされることが多いです。

診断治療内容 過去の虫歯治療で神経を残す治療をした後、今回の症状でした。
検査をすると、元のむし歯が深かったようで、
神経の検査をすると、半分は失活(※1)していました。
むし歯が神経に達して感染し、失活(※1)してしまった可能性があります。
 
CTを見てみると、根と根の間から根の先にかけて大きく骨が吸収されており、大きな黒い影となって写っています。
既に装着されている詰め物を外し、神経を取る治療・イニシャルトリートメントを行い、土台を立て(支台築造)、仮歯を入れて経過観察をします。
 
経過観察で、痛みや歯茎の状態、出来物などの症状が無くなっていれば最終の被せ物を装着していきます。
 
※1
失活とは。
一般的に「歯の神経が死んでいる」事を指します。
歯の内部にある組織、特に神経組織や血管が壊死したり機能を失った状態で、この現象は、歯の内部(歯髄)が何らかの理由でダメージを受けることによって起こります。ここでいう「神経」とは、歯の感覚を司る部分で、これが機能しなくなると、歯は痛みを感じる能力を失います。
 
歯の神経が死ぬ原因は様々ですが、主なものには以下のようなものがあります。
 
①虫歯
虫歯が深く進行し、歯の神経まで到達すると、感染症が発生し、最終的に神経が死んでしまいます。
 
②歯の破損
事故や怪我で歯が大きく破損すると、神経が露出し、感染や損傷を受けやすくなります。
 
③歯への過度な圧力
咬み合わせの問題や歯ぎしりなどによる過度な圧力が、長期間にわたって歯にかかると、歯の神経がストレスを受け、機能を失うことがあります。
 
神経が死んだ歯は感染のリスクが高まるため、放置するとさらに深刻な問題を引き起こす可能性があります。
治療としては、根管治療が一般的です。
これは、死んだ神経を取り除き、感染を清潔にして歯を保存する処置です。
治療後、歯は機能を維持できるものの、神経がなくなったことで以前よりも脆くなります。
そのため、治療した歯はしばしば補強のためにクラウン(人工のかぶせ物)でカバーされることが多いです。
治療期間

約3か月

治療期間 約3か月
費用
※治療当時の価格表示となっております。

341,000円
<内訳>
イニシャルトリートメント…132,000円
支台築造…33,000円
セラミッククラウン…176,000円

費用
※治療当時の価格表示となっております。
341,000円
<内訳>
イニシャルトリートメント…132,000円
支台築造…33,000円
セラミッククラウン…176,000円
術後の経過
現在の様子

治療開始から1ヶ月で歯茎の出来物は消失し、歯茎の状態もよくなりました。
3ヶ月程度は、違和感があったとの事ですが、今では痛みや違和感も消失し、問題なく過ごせているとの事です。
3カ月後の経過観察レントゲンでは、
CTを見てみると、根と根の間から根の先にかけて大きく骨が吸収されており、大きな黒い影となって写っていた部分が大幅に改善。
根と根の間はもう一息ですが、引き続き経過観察を行い、再発防止のためのメインテナンスを行なっていきます。

術後の経過
現在の様子
治療開始から1ヶ月で歯茎の出来物は消失し、歯茎の状態もよくなりました。
3ヶ月程度は、違和感があったとの事ですが、今では痛みや違和感も消失し、問題なく過ごせているとの事です。
3カ月後の経過観察レントゲンでは、
CTを見てみると、根と根の間から根の先にかけて大きく骨が吸収されており、大きな黒い影となって写っていた部分が大幅に改善。
根と根の間はもう一息ですが、引き続き経過観察を行い、再発防止のためのメインテナンスを行なっていきます。
治療リスク

根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

治療リスク 根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

 

根管治療の達人が解説 ひどい虫歯治療の費用と予防法

今回は「根管治療の達人が解説 ひどい虫歯治療費と予防法」について、2つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
ひどい虫歯の治療費について
 
■ポイント2
ひどい虫歯の予防方法について
 

以上の2つのポイントについて解説します。

ポイント1 ひどい虫歯の治療費用について

虫歯ができると、決して治ることはありません。
虫歯が一度できてしまうと、治ることはなくどんどんと進行していってしまいます。

 


進行し続けてしまうと、最悪の場合には抜歯になってしまいますが、きちんと治療をすることで残せることもあります。
ですが、虫歯が小さい場合には、少し削って樹脂を詰めるだけで治療が終わりますが、虫歯が大きい場合には治療の内容も1回や2回で済まない可能性があります。

 


なぜなら、虫歯が大きいと神経を取ったり、歯茎を押し下げる治療が必要だったりと、治療の難易度もだんだんと高くなってしまうからです。
 
特に、根管治療が必要になる場合には、根管内部はとても複雑な形をしているため肉眼での治療が難しく、顕微鏡を使う精密な治療をするためには、それだけ費用も必要になるというわけです。
 
ですので、虫歯が大きくなればなるほど、治療の難易度も高くなり、治療をするための費用もどんどんと上がっていってしまうということです。

 


ですが、このまま放置をしてしまっていては、今度は歯を支える顎の骨を溶かしていってしまったりと、お口の中だけに止まらず、体への悪影響も考えられます。
治療が必要な場合には、歯科医院や歯科医師ときちんと相談をしながら、治療の内容を考えていっていただければと思います。

 
 

ポイント2 ひどい虫歯の予防法について

先ほどは、虫歯が大きくなってからのお話をしましたが、次は虫歯をできる限り大きくさせないために大切なことについて解説していきます。
虫歯を予防するために大切なことが、大きく2つあります。
1つ目は、お家での歯ブラシとフッ素塗布です。
虫歯を予防する上で一番大切なことは日々の歯ブラシです。
お口の中は、毎日食べ物を含み噛んで体内へ食べたものが運ばれます。
この食べたものが歯に残っていることで、虫歯を作り出してしまいます。

 


そうならないためにも、しっかりと汚れを落とす歯ブラシやフロス、歯間ブラシが大切です。

 


その時に、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、より虫歯を予防することができます。
 
2つ目に大切なことは、歯医者さんでの定期検診です。
定期検診では、お家での歯ブラシだけでは取り切れない汚れを落としてくれるので、そのためにもとても大切ですが、実はもう1つの大切なことがあります。
それは、虫歯の早期発見をできるということです。
一度治療をしていても、虫歯はできてしまう可能性があります。
もちろんメンテナンスに通っていたとしても虫歯になる可能性があります。
しかし、メンテナンスを受けることで虫歯があったとしても早期発見をすることができます。

 


早期発見をすることで、虫歯も小さい段階で治療をすることができますし、虫歯になりそうなところは事前にお伝えすることもできます。
ですので、お家でのケアと歯医者さんでのプロのケアを行うことで、虫歯を予防することができます。

まとめ

・虫歯は放置していても治らずどんどんと進行する
・できる限り進行しないために治療をすることが大事だが、虫歯が大きいと治療も難易度が上がり、治療費も必要
・虫歯予防をするために、お家での歯ブラシと歯医者さんでのメンテナンスが大事

 

根管治療のスペシャリストが教える 膿の発生と対処法

今回は「根管治療のスペシャリストが教える 膿の発生と対処法」について、2つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
膿が発生する原因
 
■ポイント2
膿ができないようにするための対処法
 

以上の2つのポイントについて解説します。

ポイント1 膿が発生する原因

歯の根っこの先にできる『膿』の発生となる大きな要因は、「細菌」によるものです。
細菌が根管内に入り込むことで、少しずつ少しずつ膿が溜まっていき、歯を支えている周りの骨を溶かしていってしまいます。
では、どうして細菌が増殖してしまうのかについて解説していきます。
考えられる要因はいくつかありますが、1つ目は「被せ物や詰め物の隙間からの感染」です。
一度治療を行ったことのある歯は、イラストのように詰め物や被せ物がついていることが多いです。

 


詰め物や被せ物が入ることで歯は治った、これで虫歯はできないと思われがちですが、実は違います。
 
詰め物や被せ物が入っている場合には、金属の場合水溶性でできた接着剤を使用しますので、水で溶けていってしまいます。
想像していただけるとお分かりかと思いますが、お口の中には唾液があったり、水分をたくさん飲みますよね。
 
日々の生活で少しずつ溶けていってしまい、その隙間から虫歯になってしまいます。
それが広がることで、根っこの先に膿を作り出してしまいます。
また、死んでしまった神経が根っこの中に残っている場合にも膿ができる原因にもなります。
なぜなら、死んでしまった神経は細菌の餌になるからです。

 


ですが、根っこの中はかなり複雑で、根っこの中で繋がっていたり、根っこの先で枝分かれしているものもあります。

 


それにより、細菌が増殖することで根っこの先に膿を溜めてしまいます。
 
かなり難しいので、全ての根っこの中を治療仕切れていない場合も多くあります。
また、根管治療終了時には隙間なくお薬を根っこの管に詰めることが大事ですが、これだけ複雑な根っこに隙間なくお薬を詰めるのはかなり難易度が高いです。
 
もし、綺麗に掃除が仕切れていなくて、お薬もきちんと詰まっていない場合には根っこの先に膿を溜めてしまう原因にもなります。
このようなことから、膿というものができてしまうのです。

 
 

ポイント2 膿ができないようにするための対処法

膿ができないようにするための対処法はいくつかあります。
細菌が入り込まないようにすることが対処法になるのです。
先ほどお話しはしませんでしたが、こういった場合にも対処法をすることで膿の発生のリスクを下げることができます。
 
歯にヒビがあったり亀裂があるとそこから虫歯感染を引き起こしてしまいます。
こういったヒビや亀裂は、歯並びによりある一定の歯への負担がある場合に起こり得ます。
また、噛む力が強い方も歯にヒビが入りやすく、虫歯からの細菌感染を引き起こしてしまいます。
 
ですので、歯並びにより歯に負担がある場合には、矯正治療が必要だったり、噛む力が強い場合には夜寝てる間の気づかないうちの歯軋りや食いしばりからの力を防ぐために、マウスピースを使うことが有効です。

 


マウスピースを入れることで、歯への負担が分散されますし、歯が直接削れることなくマウスピースが代わりに削れてくれるので、ヒビを作ってしまう可能性が低くなります。
そうすることで、膿の発生も少なくなります。
先ほども治療をしたことのある歯には膿ができやすいとお話ししましたが、その場合の対処法です。

 


金属はどうしても隙間ができやすく、治療のやり直しも5〜7年程度と言われています。
できる限り隙間を作らないためには、セラミックを入れることで、接着剤も水では溶けないレジンセメントを使用するので、再治療のリスクがぐーんと下がり、膿を作るリスクも下げます。
 
最後に、根管治療についての対処法です。
歯科医師というのは、そもそもこのような状況下で治療を行います。
 
つまり、見えてる範囲はとても少なく、手探り状態で治療をしています。
これだと、根っこが複雑であったとしても治療しきれていないことが多くあります。
 
それを防ぐためには、顕微鏡やCTを使った精密根管治療が有効です。
しっかりと見える状況にして治療をすることで、複雑な様子もわかることがあり、また歯科医師の高い技術があることで、再発率もぐんと低くなります。
 
こういったことを行うことで、膿の発生のリスクを下げることができます。

まとめ

・詰め物や被せ物、根管治療など、一度治療を経験した歯は膿ができやすい
・噛む力が強い、または、歯並びの関係により一部のもしくは全体的に歯への力の負担がかかることで、虫歯ができやすくそこからの膿の感染も考えられる
・対処法:マウスピースを作る、セラミックなどのレジンセメントを使用する接着剤を使用する、精密根管治療を行う
ことで、膿の発生のリスクを下げることができる

 

根管治療は歯科医師によって圧倒的な差がある

今回は、「根管治療は歯科医師によって圧倒的な差がある」について3つのポイントをお話します。
 
■ポイント1
根管治療はそもそも難しい治療である
 
■ポイント2
根管治療も日々進化を続けている
 
■ポイント3
何度も回数を重ねる根管治療はよくない
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 根管治療はそもそも難しい治療である


根管治療とは、根っこの中の死んでしまった神経を取り出したり、また、根っこの先にできてしまった膿を無くすために行う、根っこに対する治療のことです。

一般的にも良く知られていると思いますが、虫歯がかなり進んでしまったり、外からの強い刺激によって、歯の神経というものは死んでしまうことが多いです。

この死んでしまった神経をそのままにしておくと、細菌はその死んでしまった神経を餌として増殖していくことで、根っこの先に膿を作り出してしまったり、歯を支える骨をどんどんと吸収してなくなっていってしまいます。

保険診療でも行われているのが、この根管治療ですが、実はとーっても難しい治療なのです。

 


根管内部と言うのはとても複雑で、根っこがクイーンと曲がってしまっていたり、根っこの先で枝分かれをしていたり、中で根っこが繋がっていたり、目で見えないほどの小さな根管があることもあります。

 


それを、歯科医師はこのぐらいの大きさでしかお口の中を見ることができず、実は手探り状態で治療を行っています。
 
想像できるかと思いますが、中で根管が繋がったとしていても、肉眼で見えない根管が存在したとしていても、このような状態だと治療仕切れないですよね。
 
ですので、最近ではCBCTや

 


マイクロスコープと呼ばれる顕微鏡を使用して治療を行うことも増えてきました。

 


ですが、こういった機材が揃っていたとしても、これを使いこなすということがとても大切です。
歯科の機材はどんどんと治療の質を上げるために良いものが出てきていますが、歯科医師によっては機材の使い方を知らなかったり、そもそも機材の種類すら知らない方もたくさんおられます。
 
つまり、根管治療は難しいのに、歯科医師の技術や知識はずっと同じ学校で習った時のことだけ、で治療されている方が多いのです。
 
ですので、難しい根管がある方や、悪質な細菌が住み着いている根管をどれだけ治療をしても、治りきらないといった事態が起こりえます。
 
ただし、これは歯科医師が悪いというわけではなく、こういった知識や技術は個人でもっと学んで行かないと分からない内容だということです。
 
お医者さんの中でも、脳外科や整形外科のように様々な分野があるように、歯科にも様々な分野があります。

 


根管治療専門医は、こうした根っこの複雑な状態での治療に対する知識や技術をたくさん兼ね備えています。
 
歯科医師の技術や知識も専門性に特化した方に治療をしてもらった方が、より成功率も上がります。
 
ですので、何度も根管治療をして苦労されている方、神経を取らないといけないと言われている方など、根管治療専門医による治療を受けられることをお勧めいたします。

 
 

ポイント2 根管治療も日々進化を続けている

現在、認知症のお薬が出るなど、医科の分野でも医療がかなり発達してきていますね。
 
実は、歯科の分野でも日々治療に対する進化や機材に対する進化を続けてきています。
 
歯科の世界でも2年もあれば、研究も進み、昔では治すことが困難だった歯も治療が可能になってきています。

 


例えば、以前は歯の神経を抜いたら蘇ることはできないとされていましたが、日本でもまだ少ない症例ではありますが、親知らずなどの不要な歯から『歯髄幹細胞』を取り出して、根管内部に移植することで、歯の神経が蘇るといった治療が可能になってきました。

 


また、昔だと虫歯を取り続け歯の神経が少しでも見えたら、歯の神経を取るというのが一般的でしたが、今は、神経の一部分を取り、MTAというお薬を使用することで第二象牙質という歯質ができ、歯の神経を温存することができるVPT治療という治療も可能になってきています。
 
このように、つい数年前には考えられなかったことが、医療の研究によってどんどんと進化を続け、不可能と思われていたことが、可能になってきているものも増えてきています。
 
ですが、こういった知識とそれを行うための技術を蓄えて、日々勉強をしている歯科医師というのはとっても少ないと感じます。
 
なぜなら、歯科医師が個人で論文などの研究結果を読み、新たな治療を行った歯科医師に学びに行き、機材を揃えて実践するということのハードルが高く、日々の診療に追われてしまっていることが多いからです。
 
しかしながら、歯を本気で良い状態に持っていこうとするのであれば、こういった知識や技術のある歯科医師に診てもらうことがとても大切です。
 
当医院でも、根管治療に対する新たな知識と技術を常にアップデートしながら治療を行っておりますので、もしご興味のある方はお問い合わせくださいね。

ポイント3 何度も回数を重ねる根管治療はよくない

最近の研究結果でも出ていますが、根管治療を成功に導くためには、できる限り少ない回数で治療を終えるということと大きく結びつきがあると言われています。
 
つまり、少ない回数で治療を終えることができれば、治りが良くなることも多いということです。

 


根管治療は複雑なことも多く、根っこの先まで到達したかを確認する機械の反応がなければ、何度も歯科医院に通ってもらい仮の蓋を外して根管治療を行っているところが多いです。
 
しかしながら、お口の中にある唾液には、細菌が含まれていることも多く、何度も治療をすれば、治療中の根管内部に細菌が入り込んでしまう可能性も高まります。
 
こうすることで、せっかく治療を行っていたとしても、さらに細菌が根管内部に入り治りにくくなることがあります。
 
もちろん、ラバーダムなどの唾液が入らないようにする工夫をすれば、唾液からの感染というところは防ぐことができますが、

 


それでも、何度も治療を行うと成功率というものは下がっていってしまうので、できるだけ少ない回数で根管治療を行うことが大切です。

しかしながら、こちらも何度も回数をかけて治療を行っている歯科医師の方も多いと思います。
根管内部は複雑なので、保険診療で使用できる限られた材料では仕方のないことなのかもしれませんが、人生100年時代と言われている今、できる限り歯を長持ちさせるためには、根管治療を丁寧かつ速やかに治療をすることはとても大切です。

ぜひ、何度も治療に回数がかかっている方は、一度根管治療専門医にご相談されることをお勧めします。

以上で「根管治療は歯科医師によって雲泥の差がある」ということについてのミニセミナーを終わります。
根管治療は難しく、治療をしきれていない場合も多いです。
それは、歯科医師の知識や技術によっても、成功率が変わってくるということにもよります。
もし、根管治療でお困りのことがありましたら、当医院ではこういった新たな治療や新たな研究結果も学び治療を行っておりますので、ぜひお問い合わせくださいね。

 

40代で虫歯だらけの手遅れにならないために大切なこと

今回は「40代で虫歯だらけの手遅れにならないために大切なこと」について、3つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
食後の歯磨き
 
■ポイント2
食生活の改善
 
■ポイント3
ストレス回避
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 食後の歯磨き

1つ目に大事なことは「食後の歯磨き」です。
 
食後のお口の中に残った食べカス(糖)をエネルギーとして、プラークと呼ばれる細菌の塊が歯に付着します。
そのプラークは、酸を出して歯を溶かすので、歯は虫歯になってしまいます。
 
プラークは粘着性のある物質です。
歯にべったりと付着していますので、ハブラシを使ってブラッシングしなければ、落ちてくれないのです。ハミガキは、歯科医学的に最も重要な、口腔内を健康的に清潔に保つ効果的な予防処置であり虫歯や歯周病に対する重要な治療の一つなのです。

 


ポイント2 食生活の改善

2つ目は「食生活の改善」です。
間食も間食後のハミガキは、通常の食事と同じように大切になります。
となると、ハミガキの回数は、1日3回では済まなくなりますよね。
楽しみにしているスイーツなどは、デザートとして食後にいただくことが、その後ハミガキが出来るので理想です。
また、お砂糖の入っている飲み物や、のど飴なども危険です。
その都度、ハミガキをするのが難しいからです。食生活の改善を図って食べるタイミングを考えてみてください。



 

ポイント3 ストレス回避

3つ目は、「ストレスを回避する」ことです。
そして、ストレスをためない!ストレスで起こる、はぎしり食いしばりは、自覚症状のない方が多いのですが実は誰もが起こりうる現象です。
 
虫歯の原因となる、はぎしり食いしばりをなるべくしないように、ストレスを溜めない日常を送ることが大切です。
甘いスイーツなどで癒されて、ストレスを発散することは、とてもいいこと。
ですが、食べるタイミングには、ご注意ください!

 


まとめ

・歯ブラシでプラークを取ることが大事
・デザートは食後にすぐに行くことが大事
・ストレス回避をすることで、歯軋り回避に繋がり、虫歯もできにくくする

 

根管治療の5つの失敗症状

今回は「根管治療の5つの失敗症状」について、5つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
痛み
 
■ポイント2
腫れがある
 
■ポイント3
膿が出てきた
 
■ポイント4
出来物ができた
 
■ポイント5
違和感がある
 

以上の5つのポイントについて解説します。

ポイント1 痛み


痛みという症状は緊急度が高い症状です。そして、その「痛い」も4つに分かれます。
緊急性の高い「痛み」から解説していきますね。
 
1つめは「何もしなくても痛い」ということです。
迷うことなく、すぐに歯医者に電話をしてください。
そして「何もしなくても痛い!」ことを電話で伝えましょう。
そうすると、受付も「緊急度高い!」と判断できます。
根管治療の失敗が原因で、何もしなくても痛いという症状が出現する時があります。時には、夜も眠れないほどの激痛です。歯を支える骨の内部に膿が溜まったり、ガスが溜まったりすることで骨が風船のようにパンパンになります。
それにより、「何もしなくても痛い状況(自発痛:じはつつう)」になることがあります。
他には歯が割れてしまったり、ヒビが入っていることもあります。
また、自分が痛いと感じている歯とは違う歯に大きな虫歯があり強い痛みが出ている場合もあります。
どの様な原因であれ「非常に緊急度が高い」状況ですので、迷わず歯医者に電話をしましょう。
2つ目は、「噛むと痛い」ということです。

 


実は、様々な原因が考えられ歯医者でしっかりと原因を特定してもらうことがポイントになります。その時に、レントゲンや歯茎の検査も必須になるので歯医者で診てもらうことが非常に重要です。放置すると「何もしなくても痛い」という超緊急事態に移行する可能性があります!
噛むと痛い場合、歯の根の先から、歯の周り(歯周組織)に。細菌による炎症が広がっている状態が考えられます。
根管治療の失敗が原因で出現することが多いですが、その他、歯の根が割れていたり(歯根破折:しこんはせつ)、重度の歯茎の病気(歯周病:ししゅうびょう)があったり、過度の噛み合わせ力が加わっていたり(咬合性外傷:こうごうせいがいしょう)など非常に多くの原因が考えられます。様々な症状との組み合わせで出現していることも多く見られます。
忙しくても、2,3日中に歯医者に行きましょう!
3つ目は、「歯茎を押すと痛い」ということです。

 


この場合も、なるべく早く歯医者を受診しましょう!
なぜなら、押すと痛い場合、歯茎の内部に膿がたまってきている可能性があるからです。特に、歯茎の根の先に相当する部分を、指で押すと痛い!ということがあります。専門的には圧痛(あっつう)と呼びます。歯の根の先で細菌が増えてしまい炎症が起こっていたり、膿やガスが溜まっていることが多く見られます。歯茎が全体的に腫れている場合は、歯茎の病気(歯周病:ししゅうびょう)も疑われます。
膿がたまり続けると、急激な痛みになる場合と、歯茎に穴が出来て膿が出ることで圧力が下がってあまり痛まない場合があります。どちらになるかは、予測がつきません。時限爆弾を抱えて、不安な状態で過ごすのではなく、少しでも早く歯医者を受診しましょう!
4つ目は、「なんとなく痛い」です。
この状態は「緊急度はあまり高くない」と考えられます。よって、明日すぐに歯医者を急患で受診する必要はありません。しかしながら、レントゲンをとると「歯の根の先に病気」が出来ていて治療が必要な場合が多くあります。
よって、歯医者に電話をして1,2週間先でも良いので予約を取り受診しましょう。

 

ポイント2 腫れがある


腫れも痛みと同様に緊急性が高い場合があります。
腫れにも大きく2つに分けられますが、外から見ても、明らかな顔が腫れている場合は大至急、歯医者にいきましょう!この状態は、いつ「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と呼ばれるキケンな状態になってもおかしくありません!
この状態になると、口が開けれなくなったり、時には呼吸困難の状態になり命に関わる場合があります。顔の腫れが大きく一般の歯医者では対応が出来ない場合、病院の救急外来で抗生剤の点滴を受けるよう指示が出ることがあります。場合によっては、入院することもあります。
腫れが歯茎のみで痛みがない場合は、超緊急ではありません。仕事終わりや、翌日に歯医者にいきましょう。ここで注意!家に余っている抗生物質や家族が持っている抗生物質を使用することは絶対に止めましょう!
なぜなら、中途半端に薬を飲むことで、今後、同じ抗生物質を飲んでも倒すことができない細菌(薬剤耐性菌)が出来てしまう可能性があります。そうすると、将来、他の病気にかかった時に「治らない」状態になり命を落としてしまう例もあります。

 

ポイント3 膿がでてきた

膿が出ている場合は、歯医者を予約し1〜2週間以内に受診しましょう。膿が出ている場合、膿が流出して歯茎の内部の圧力が低下しているので、意外と痛みが少ないのです。しかし、膿は歯茎の内部で「細菌と体が戦っている証拠」です。歯医者を受診して原因を特定しましょう。

 

ポイント4 出来物ができた

出来物ができていても痛みがない時は多くの場合、緊急性はありません。

 


代表的な歯茎の出来物は、サイナストラクトと呼ばれます。
歯の根の先で細菌が増えて、膿を作り出していることが考えられます。
この場合、緊急性は高くありません。
その出来物の真ん中あたりに見られる小さな穴から内部に溜まった膿を排出しています。そうすることで、歯茎の内部に膿がパンパンに溜まり痛みが出ることを防いでいます。
やはり、この状況も体調不良や疲労などで出現したり消失したりする方もいます。例え、根管の先には相当な量の細菌が増殖していると考えられ流ので消失したとしても歯医者に行く必要があります。
 
また、非常に稀ですが、根管治療が失敗したのではなく、癌が原因で腫れている場合もあります。

 

ポイント5 違和感がある

 


根管治療の失敗が原因で、「歯が浮いた様な違和感」が出ることがあります。
今すぐ、歯医者に行く必要はありません!
一般的に、歯の根の先に膿が溜まったり炎症が起きたりしていると、その影響で歯が浮いた感じがすることがあります。これは、歯茎の腫れや出来物、噛んだら痛いなどの症状が併発していることもあります。多くの場合、「何もしなくても痛い」という状況ではありませんが、「治療が必要だ!」という体からの大切なサインとされています。
 
以上が、根管治療が失敗した時に出てくる症状でした。

 

まとめ

・痛みや腫れは緊急性が高い場合があるため、早急な歯医者さんの受診が必要
・痛みにも4つの部類に分かれ、何もしなくても痛い場合には早急に治療が必要
・出来物が根管治療からによるものもあれば、癌などそうでないものもあるため、歯医者さんでの診断が大事
・違和感がある場合も、早急にではないがなるべく早く歯医者を受診し診てもらうことが大事

 

ラバーダムはしんどくないのか

今回は「ラバーダムはしんどくないのか」について、3つのポイントで詳しくお話しします
 
■ポイント1
溜まった唾液は飲み込んでもいいのか
 
■ポイント2
ラバーダムをつけても息はできるのか
 
■ポイント3
途中でうがいはできるのか
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 溜まった唾液は飲み込んでもいいのか


答えは「はい!」
 
溜まった唾液を飲み込んでも大丈夫です。
ラバーダムをしているので、使用するお薬や、治療時の水はお口の中には流れ込みません。
しかし、ご自身で作り出す唾液は溜まってしまいます。
その唾液は途中で飲み込んでも大丈夫です。
ただ、装置をつけている状態での唾液を飲み込む作業は難しく感じられる方もおられます。
そういった時は、アシスタントがお口の横から唾液を吸い込むことができるので、ご安心ください。
また、ずっと吸い続けて欲しい方に対して、吸い続ける道具というものも存在します。
よって、治療に行かれた際に、担当の術者に聞いてみるということが良いと思います。

 

ポイント2 ラバーダムをつけても息はできるのか

こちらも答えは「はい!」

 


ただし基本は鼻で呼吸してもらえると苦しくなく、診療することができます。
花粉症で、鼻で息ができない。
いつも口呼吸です。
といった方も、ご安心ください。
唾液が溜まると横から吸引することができるので、ある程度お口での呼吸も可能です。
当医院では、患者様への声かけを大切にしているので、「唾が溜まった時には、左手をあげて教えてください。」と常に確認を取りながら進めております。

 

ポイント3 途中でうがいはできるのか

こちらの答えは「いいえ」です。

 


前述にもありましたが、根管治療の大敵はご自身が作り出す唾液です。
うがいをするには、ラバーダムを外さなければなりません。
そうすることで、治療中の根っこの中に唾液が入ると感染してしまい成功率も下がってしまいます。
ですので、基本はラバーダムを治療中に外すことはできません。
しかし、途中でどうしてもうがいがしたくなった時には、必ず術者にお知らせください。
仮のフタをしてラバーダムを外したりと、術者に知らせることで対策をしてから外すことができるので、もしもの場合はお知らせいただくと、感染を防ぐこともでき、外すことも可能です。

 

まとめ

・溜まった唾液は飲み込んでもいい
・ラバーダムをつけていても息はできる
・ラバーダム中のうがいはできない

 

ひどい虫歯に対してよくある4つのQ&A

今回は「ひどい虫歯に対してよくある4つのQ&A」について、お答えします。
 
■Q1
放置しすぎて歯医者にいくのが気まずいし、恥ずかしいです
 
■Q2
ひどい虫歯もきれいになりますか?
 
■Q3
ひどい虫歯は銀歯になるのでしょうか?
 
■Q4
ひどい虫歯を放置すると脳にバイキンが回るって本当ですか?
 

以上の4つのQ&Aについて解説します。

Q1.放置しすぎて歯医者にいくのが気まずいし、恥ずかしいです


A.そのように、おっしゃる方、実は多かったりします。しかし、歯科医院は、そのような患者さんのために、存在しています。恥ずかしがったりする必要はありません!万が一、怒るような歯科医院があれば、変わりましょう。

 

Q2.ひどい虫歯もきれいになりますか?


A.芸能人のレベルを求めなければ、かなりの確率でキレイに治すことが可能です。しかしながら、丁寧な治療と、ある程度の期間が必要になることがあります。

 

Q3.ひどい虫歯は銀歯になるのでしょうか?


A.部位や本数にもよりますが,最近は保険診療の範囲でも「白い歯」を入れられる対象が少しずつ増えてきています。ただ、保険診療では、どうしても銀歯になってしまうこともあります。部位や大きさによっては銀歯を回避できることもありますので、歯医者で相談しましょう!

 

Q4.ひどい虫歯を放置すると脳にバイキンが回るって本当ですか?


A.本当です。割合は多くはありませんが、虫歯の細菌が脳に進んでいき「脳静脈血栓症(のうじょうみゃくけっせんしょう)」と言う病気を発症することがあります。脳の静脈に血栓を引き起こし脳梗塞などのリスクにつながります。また、口の中は血管が多いので虫歯や歯周病を放置すると、多くの細菌が全身を廻ります。
その結果、脳静脈血栓症以外にも様々な病気に繋がっていく可能性があります。

 

まとめ

ひどい虫歯になったとしても、早期に治療をすることが歯のためにも、体のためにも大切です。
行く勇気がいるかもしれませんが、ぜひ治療も頑張っていただければと思います。