来院した患者様が、「歯茎から膿が出る！嫌な臭いがします！」とおっしゃることが
多々あります。歯周病や親知らずよりも、「歯の根の治療が原因」のことが当院では多く見られます。

この場合も基本的に「以前治療した歯の根の先に膿が溜まっている」ということです。


歯の根の先に膿が溜まっている場合、体は膿を排出するために歯茎に「サイナストラクト」という穴を作り出します。そこから、膿を出すことで体内に過剰に膿が溜まったり痛みにならないようにしています。

歯の根の先から膿が出る原因は複数あります。

①キッチリとした治療が以前にされていないことが原因の場合
②一旦、しっかりと治癒した歯の根だが、キッチリと合っていない被せ物や、被せ物と歯の隙間に虫歯が出来たことで、その部分から歯の根の内部に細菌が再度、侵入してしまうことが原因
③悪性度の高い種類の細菌が感染していると、難治性と呼ばれる状況になりキッチリ治療しても治らないことが原因
の３パターンがあります。
どれか一つの場合もあれば、複数の原因が重なっていることもあります。

①キッチリとした治療が以前にされていないことが原因の場合

→何はともあれ、まずは最初に質の高い精密根管治療を行うことが重要です。

②一旦、しっかりと治癒した歯の根だが、キッチリと合っていない被せ物や、被せ物と歯の隙間に虫歯が出来たことで、その部分から歯の根の内部に細菌が再度、侵入してしまうことが原因

→①と同様に、まずは最初に質の高い精密根管治療を行うことが重要です。 そして、虫歯の再発リスクを抑えることに加えて細菌が蓄積を防止するために「適合の良い被せ物」を装着することが大切になります。

③悪性度の高い種類の細菌が感染していると、難治性と呼ばれる状況になりキッチリ治療しても治らないことが原因

→歯の根の先に病気を作る細菌には色々な種類が存在します。ある種類の細菌は、一般的に用いられる次亜塩素酸という消毒液でも死滅しないのです。その状況に適した薬剤を使用し、精密根管治療を行った後に「外科的歯内療法（外科的根管治療）」を行います。