穿孔封鎖(パーフォーレーションリペア)とは
歯科医師以外で「穿孔封鎖」という治療をご存知な方はいらっしゃらないと思いますので、
簡単に説明をさせていただきますね。
穿孔は「せ・ん・こ・う」と読みます。そして意味は「穴」なのです。
つまり「穿孔封鎖」という小難しい名前ですが、実は簡単に「穴をふさぐ」と翻訳することが可能です。
よって、穿孔封鎖治療=穴をふさぐ治療なのです。
穿孔は英語で「パーフォレーション」と呼ぶため、穿孔封鎖治療を「パーフォレーションリペア」と呼ぶこともあるんですね。
おそらく、今あなたの頭の中には「歯に穴?虫歯の穴のこと?え?意味がわからない。」と変換されていることと思います。実は「虫歯の穴とは全くの別物」なのです。
この穴(穿孔)というのは多くの場合、医原性です。
以前に「神経を取る治療(抜髄治療)や、根っこのやり直し治療(感染根管治療)」をされている歯の内部に発見される穴なのです。人工的な・・・。
「え?聞き流しそうになりましたが、今、人工的っていいました?さっきも医原性とかいう言葉も出てきたし。」という声が聞こえてきそうですね(笑)
そうなんです、実はこの穿孔・穴は歯の根の治療の時に歯科医師が偶発的に作ってしまう穴なんです。その穴に適切な処置をせずに治療を終えてしまうと、その穴に細菌が感染してしまいます。そして、歯の周りの骨を溶かしたり、膿の原因になったりします。
最悪の場合、噛む力によってその穴から亀裂が走り抜歯になることもあります。
もちろん、虫歯が非常に大きく、虫歯をしっかりと取り除いた結果、歯の内部に穴があいてしまうこともあります。これは、仕方ありませんし教科書的にも抜歯となります。
しかしながら、根管治療の際に歯の根の入り口がなかなか見つからず、歯の内部で探している時に偶発的に穿孔をしてしまうということもあるのですね。
患者様によって歯の形や、内部の形は全然違います。また、穿孔リスクを負ってでも攻めた治療が必要な場合もあるので、穿孔したこと自体が必ず「悪」ではありません。
しかしながら、「穿孔のリスクを事前に説明」し「穿孔した場合は速やかに適切な穿孔封鎖治療」を行い「患者様に説明」することが最も大切なのです。
このステップがなければ、いくら患者様の事を思って治療した結果であっても信頼関係を築くことはできませんよね。
根管治療大阪クリニックでは、歯の根のやり直し治療(感染根管治療)の時に穿孔を発見する場合が多いので
患者様に「穿孔封鎖(パーフォレーションリペア)」の説明をしております。
あまりに大きな穿孔の場合は、穿孔封鎖ができないこともありますが多くの場合可能です。最も重要なことは「穿孔が起きてから、穿孔封鎖治療までの時間や期間が短いほど予後が良い」と言うことです。
治療の手順
①カウンセリング
②検査
③説明
④被せ物や土台などの除去
⑤虫歯の徹底除去
⑥隔壁作成
⑦根管内の汚染を除去
⑧徹底した穿孔部位の清掃と消毒
⑨穿孔部位の封鎖
⑩仮封(仮フタ)
穿孔封鎖(パーフォーレーションリペア)のメリット・デメリット
メリット
①抜歯を回避できる
②穿孔部の歯質が再生され、膿や痛みが改善する
③穿孔部の歯質が再生され、歯の寿命が伸びる
デメリット
①穿孔があまりに大きい場合は、穿孔封鎖が出来ない
②古い穿孔の場合は治癒しない場合もある
③保険診療では適切な材料が存在しない
保険治療との違いは?
①保険治療の穿孔封鎖治療
②根管治療大阪クリニックの穿孔封鎖治療
保険治療の 穿孔封鎖治療 |
根管治療大阪クリニックの 穿孔封鎖治療 |
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術者 | 一般歯科医師 |
AAEスペシャリスト |
ラバーダム | 多くの場合しない |
必ずラバーダム |
拡大 | しない(肉眼) orルーペ? |
高性能マイクロスコープ |
歯の周りの消毒 | 多くの場合しない |
複数の薬剤で念入りに必ず行う |
隔壁 | しない場合が多い |
高温湿下にてレジンで |
穿孔部に再生 する歯の質 |
再生せず、感染状態のままであること |
強度や密閉性が高い歯質が再生 |
使用器具 | タービンで感染部を削る。 |
超音波器具 |
消毒 | 不明 |
次亜塩素酸 |
封鎖材料 | スーパーボンドなど |
MTA |
予後 | スーパーボンドは歯質を再生できない |
徹底した消毒と緊密なMTA充填のため |
成功率 | 不明・・・ |
今まで症状が除去できなかったことは |
費用
穿孔封鎖 | 33,000円(1歯につき) |
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