根管治療大阪クリニックによる痛みの少ない根管治療・MI修復などお困り方はお気軽にご相談下さい。

抜歯をせずに歯を残す方法

「抜歯をせずに歯を残す方法」について5つのポイントで解説
 
■ポイント1
精密根管治療を行う
 
■ポイント2
歯冠長延長術を行う
 
■ポイント3
歯根端切除術を行う
 
■ポイント4
意図的再植術を行う
 
■ポイント5
エクストリュージョン治療(矯正治療)を行う
 

以上の5つのポイントについて解説します。

ポイント1 精密根管治療をする

まず始めに、精密根管治療についてです。
精密根管治療とは、マイクロスコープ(顕微鏡)やCTなどを活用した根管治療です。


マイクロスコープやCTがあることで、根っこの中の複雑な状態が分かり、再治療のリスクを抑えることができます。
 
実際の根っこの中というものはとても複雑です。
根管同士が繋がってしまっていたり、肉眼では見えない根管が存在したり、また根管の先で枝分かれしていることもあります。

 


しかしながら、歯科医師はイラストに写っている範囲でしか歯を見ることができず根管治療は言わば手探りで治療をしています。

 


「精密根管治療」では、この複雑な根っこを治療するにあたって、どのような形をしているのか、根っこの数がどれぐらいあるのかなどを、マイクロスコープやCTを使うことで分かります。
分かることで、感染している場所を見つけることができ、再治療の可能性をグンと下げることができます。
つまり、マイクロスコープやCTを活用することで、抜歯を回避できる可能性が広がるということです。
 
また、設備が整っているだけではいけません。
 
治療を行う歯科医師の技術と知識があることもとても大切です。

 


医療は日々進化し続けており、1年前に良いとされていたことが、1年後にはさらによくする方法が出ることもよくあります。
 
それを論文などからしっかりと知識を得て治療を行うことがとても大切です。
 
さらに、論文を読んで、機材が揃っているだけでもよくありません。
大切なことは、治療を行うための技術があることです。
 
複雑な根管の治療を行うためには、機材を使いこなすことが不可欠だからです。
 
ですので、根管治療を行う際には、こういった「精密根管治療」を受けていただくことをお勧めします。

 

ポイント2 歯冠長延長術を行う

精密根管治療をすることで多くの歯を残すことが可能ですが、それを行うだけではよくならない場合があります。
今からは、その精密根管治療以外の治療方法をお伝えしますね。
歯茎の下まで歯が割れていると、無理やり残して再治療になるか、抜歯になるかの選択が従来ではほとんどでしたが、実はある方法で治療が可能になりました。

 


歯茎を外科的に下に押し下げてあげることによって、歯茎の中に埋もれていた虫歯や病気が外に出てきて、取り除くことができ、抜歯をせずに歯を残せる可能性が増えました。
ただし、外科の治療になるので、一定程度の痛みや腫れを伴うことがあります。
ですが、痛み止めが効く程度の痛みですし、

 


1週間もすれば多くの場合、痛みは落ち着きます。
本来抜かなければいけない歯を、残せる可能性のある治療方法ですので、リスクはもちろんありますが、成功すれば長期的にご自身の歯で生活することができるので、必要な場合には歯冠長延長術の治療を受けていただくこともお勧めします。
アスヒカル歯科でも、歯間長延長術の治療は頻繁に行なっているので、質問などありましたらお気軽にお問い合わせくださいね。
ご自身の歯が残せるかどうかは、ご自身で見つけることは難しいです。
ですので、きちんと歯医者さんで診断してもらうことが大切です。

 

ポイント3 歯根端切除術を行う

根管治療をしても改善されない場合は、外科的根管処置を併用することで抜歯をせずに改善されるケースが多くあります。
その1つが「歯根端切除術」と呼ばれる治療方法です。

 


名前だけ聞くと、難しいなと感じられると思いますので、どのような治療なのかを説明していきますね。

 


まず普段の根っこの治療というものは、歯の上から治療を行います。


このように歯の上から死んでしまった神経をとったり、消毒やお薬を詰めるという流れで行います。
しかし、長年治療を受けずに放置をしていたりすると、根管治療をしようとしても根っこがいたはずの空洞が硬く詰まってしまい治療が根っこの先までできないことがあります。
また、根っこの先の膿がなくならずい続けてしまい、痛みや、歯を支える骨を溶かしてしまいます。
そうなると、単なる根管治療だけでは、改善することが難しくなります。
そこで、根っこの先から悪い病原菌(膿)を取り出して、お薬をつめてあげるという方法が「歯根端切除術」と呼ばれるものです。

 


治療の流れとしては、歯茎をめくり、膿が溜まっているところの覆われた骨を削ります。
その後、根っこの先に詰まった、肉芽や嚢胞と呼ばれるような悪さをしている原因を取り除き、お薬を根っこの先から詰めて、骨が再生してくるかを見るという治療方法です。
こうすることで、根っこの先にいた膿も取り除くことができ、より歯の寿命を伸ばすことができます。
痛みについては、もちろん外科治療ですので、多少の痛みと腫れがありますが、この治療も歯冠長延長術と同様に、1週間程度で落ち着くことがほとんどです。
痛みがある場合には、痛み止めを飲むことで痛みなどの炎症を抑えることができます。

 


しかし、この方法はよく見える前歯には向いていますが、奥歯は見えづらいということで、治療をするのはかなり難しいです。
ですので、奥歯では適応はあまりされません。
また、この治療方法を取り入れている歯医者さんもあれば、そうでない歯医者さんもある治療方法ですので、事前に確認を取るということが大切です。

 

ポイント4 意図的再植術を行う

先ほどのお話しで、「奥歯は治療できないの?」と思われたのではないでしょうか。
奥歯は奥歯の方法を使えば治療することができ、歯の寿命を少しでも伸ばすことが可能です。

 


奥歯の場合も、前歯と同じで、長年治療を受けずに放置をしていたりすると、根管治療をしようとしても根っこがいたはずの空洞が硬く詰まってしまい、根管治療をしても改善されない場合があります。
また、根っこの先の膿がなくならずい続けてしまい、痛みや、歯を支える骨を溶かし続けてしまう場合もあるのです。
奥歯の場合も根っこの先からお薬を詰める処置はしますが、前歯のように歯茎をめくって治療をするのではなく、「1度歯を抜いて、悪い部分を取り除き、また元に戻して固定をする」という方法があります。

 




奥歯の根っこの形は【樋状根】という形をしている人もいて、樋状根は根っこの治療しても再発を繰り返したり、改善しない場合が多く、そう言った時に意図的再植が最適とされています。

 


こうすることで、根っこの先の膿も取り除くことができ、抜歯を回避することができます。
ただ、抜くときに歯が割れてしまうなどのリスクがあります。
痛みに関しては1週間程度で落ち着いてくることがほとんどです。
ポイントは、一度歯を抜いていますので、そこの部分で物を噛まないということがとても大切です。
特に、硬いものなどを治療したところで噛んでしまうと、せっかくよくなっていたとしても、歯が揺れ出したりして、抜け落ちてしまう可能性もあるからです。
歯科医師の確認が取れるまでは、噛まないように注意しましょう。
こちらの「意図的再植術」もかなり難易度の高い治療方法です。
どの歯科医院でも行っている治療ではなく、治療を行っていたとしても精密に治療をやり遂げるにはかなりの技術が必要です。
ぜひ、ホームページなどで確認していただき、納得してから治療を受けられることをお勧めします。

 

ポイント5 エクストリュージョン治療(矯正治療)を行う

実は外科処置以外にも、矯正治療を用いた治療を行うことで歯を残せる可能性がある場合があります。
虫歯が歯茎よりも下にできてしまっていたり、歯の上の部分の欠けができた場合などに適応される治療方法で、歯を引っ張り出す治療方法です。


矯正治療と書いてありますが、よく知られている全ての歯に装置をつける治療方法ではなく、引っ張り出したい歯にのみ針金とゴムを使って引っ張り出してくる治療方法です。
上記にもありましたが、従来は歯が割れたり、虫歯が歯茎よりもしたで進んでいる場合は抜歯になっていましたが、歯を引っ張り出してあげることで歯を残せる可能性が広がりました。
しかし、この方法も全ての歯医者さんで行われているわけではありませんので、事前に確認を取ることをオススメいたします。
このエクストリュージョン治療は、単体で行われることは少なく、歯冠長延長術とともに治療されることが多いですので、どちらの治療も行っているかの確認を取ることが大切です。

 

まとめ

・抜歯回避のためにできることは5つ
・CTやマイクロスコープを用いた精密根管治療を行う
・外科的に治療をし残す方法と、矯正を用いた方法で抜歯回避が可能
・治療を行っているか、行っていないかは歯科医院によっても異なるため、事前の確認が必要

 

根管治療の期間に差が出る原因

今回は「根管治療の期間に差が出る原因」について、4つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
神経の通り道が枝分かれしている
 
■ポイント2
根っこの中の管が硬く通り道が塞がっている
 
■ポイント3
見落とされがちな根管を見つけるために時間がかかる
 
■ポイント4
根っこの先が曲がっている
 

以上の4つのポイントについて解説します。

ポイント1 神経の通り道が枝分かれしている


神経の通っている管が先で枝分かれをして迷路のようになっていることがあり、治療期間を有してしまうことがあります。
なぜなら、枝のように分かれているところを全て消毒するということが難しいからです。
もし消毒が行き届いていないと、根管治療の再発にもつながります。

 


細く、複数にもなっている根管に、消毒液を流し込み殺菌することは難しいですよね。
ですので、神経の通り道が枝分かれしていると、治療期間が平均よりも長く必要になります。

 

ポイント2 腫れはいつまでつづくのかについて


根っこの中の管が硬くなり、通り道が塞がってしまっていることがあります。


こちらのレントゲン画像を見てみましょう。
黄色い矢印の歯には黒い線が見えますよね?
これが神経の通り道です。
この通り道がはっきりとわかる場合は治療もしやすいですが、硬く塞がってしまっている場合の治療は大変です!
塞がっていても病気ができていなければ、治療をしなくていいこともあります。
しかし、病気ができている場合は治療が必要です。
もちろん、治療期間は通常よりかかることも分かりますよね。
「塞がっているのに治療ができるの?」
このような思いをされたのではないでしょうか。
実は、術式次第でこの塞がってしまった管を開けられることもあります。
また例え開けられなかったとしても開くところまでしっかりと掃除をしてあげると62.5%の確率で良くなることがデータにも出ています。
それでも難しく、病気が無くならない場合は外科処置をすることで病気を取り除けることもあります。
いずれにせよ、塞がってしまい病気ができている根管を治療するには、期間も通常より長く必要となります。

 

ポイント3 見落とされがちな根管を見つけるために時間がかかる


患者さんによっては見落とされがちな根管が潜んでいる場合があります。
特に上の奥歯において、今までは「3本の根管でできている」というのは歯医者業界では一般的でした。
しかし、もう1つの根管があることがとても多いということが最近の研究で明らかになってきました。
ですが、その根管は非常に細く肉眼で見ることは困難なために、歯科医師に気づかれずそのまま見過ごされてしまっていることもこれまでは多かったのです。
最近では、C T撮影が可能になったり、マイクロスコープを使うことで発見されることも多くなり、この4つ目の根管の治療が重要視されるようになりました。
もし、この根管の発見がされないと、その根管が原因で再治療になる頻度も高かったという結果も出ています。
これほど見つけにくい根管であり、見つかった後も他の根管と同様に消毒をしていかなくてはならないので、治療期間も通常より必要になります。

 

ポイント4 根っこの先が曲がっている


レントゲン写真のように、根っこの先がクイーンとまがった根っこの場合もあり、曲がった根っこも治療が難しく、治療期間に差が出る原因とされています。

 

まとめ

・根管治療というものは形が様々な場合が多数存在する
・根っこの先が枝分かれしていると期間が長くかかる
・根っこの中の管が硬く通り道が塞がっていると期間が長くかかる
・見落とされがちな根管が潜んでいると期間が長くかかる
・根っこの先が曲がっていると期間が長くかかる

 

根管治療で起こる腫れた時の対処法

今回は「根管治療で起こる腫れた時の対処法」について、3つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
腫れた時の対処法
 
■ポイント2
腫れはいつまでつづくのかについて
 
■ポイント3
腫れた時にしてはいけないこと
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 腫れた時の対処法

腫れた時の対処法は大きく2つあります。
1つめは「ロキソニンなどの炎症を抑える薬を飲むこと」です。
もしも、歯茎や頬が腫れた場合は抗生物質を。
加えて痛みもある場合は一緒に痛み止めを服用するのが良いかもしれません。
薬は歯医者に腫れた旨を伝えて薬をもらい、薬を服用して様子を見てください。
急に腫れてきた・痛みが出たということは、今その時が一番細菌が活発化して炎症レベルが高い時です。
抗生物質は細菌の活発化を抑えてくれる作用があるので、服用することによって一時的に落ち着くでしょう。
それで症状がなくなれば、時間があるときに歯医者を受診して原因を追及し治療をすることをお勧めします。

 


2つ目は、「すぐに歯医者さんを受診する」ことです。
薬を飲んでも腫れ・痛みが全く落ち着かないという場合はすぐに歯医者に受診しましょう。
炎症がかなり強く、状態によっては歯茎の中に膿が溜まって圧迫されて痛みが出ている可能性があります。
そうなった場合は、歯茎を少し切って膿を出してあげることでかなり腫れや痛みを和らげることができます。
しかし、それはあくまで一時的な応急処置になるので、その後の治療も必要になります。

 

ポイント2 腫れはいつまでつづくのかについて

腫れが続く期間には個人差があります。
何故なら腫れている原因によっては、「根管治療」や「歯周病治療」をしないと治らない場合が多いからです。そして、その時の体調によって腫れたり腫れなかったりと変化することもあります。
だから、「腫れをちゃんと治そう」と思うと根本的な原因を知り、その原因に対しての治療を行うことが治る近道です。

 

ポイント3 腫れた時にしてはいけないこと


歯茎や頬が腫れた時に、冷やしたらマシになるのではないかと思い冷やす人がいますがそれはしてはいけません。
冷やすことによって血流が低下し、細菌と闘う免疫が到達しにくくなる可能性があるからです。
しかし、冷やしてはいけないのは「細菌感染による腫れ」だけなのです。
抜歯した後に腫れてきたりなどの物理的な炎症の場合は、適度に冷やしても大丈夫です。
どちらか分からない不安な場合はむやみに冷やさない、もしくは歯医者に電話して聞いてみるといいでしょう。

 

まとめ

・腫れた時は、一旦痛み止めや抗生物質で様子を見るか歯科医院を早急に受診する
・あくまでも薬は一時的な対処法なので、しっかりと根本原因から対処することが大事
・腫れが続く期間は個人差がある。早期の治療が大事
・腫れがある時に、冷やすことはよくない

 

歯の神経を取る治療の基礎知識2

今回は「歯の神経を取る治療の基礎知識PART2」という事で以前にも、神経を取る治療の基礎知識の動画を出していましたが、お伝えしきれなかったことを3つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
抜髄した歯はどうなるのか
 
■ポイント2
抜髄治療の期間や回数について
 
■ポイント3
抜髄にならないために日頃から気をつけておくべくポイントについて
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 抜髄した歯はどうなるのか


抜髄治療で歯の神経をとった後、「その歯はどうなるのか」について説明したいと思います。
 
抜髄治療をした歯は、元々の自分の歯と比較して割れやすくなります。
特に力のかかる奥歯は、割れてしまうと抜歯になるリスクが高くなるので、
歯が割れるリスクを下げるためにも、図のような被せ物にします。
 
被せ物をせずに放置したり、樹脂や小さな金属で詰める治療を行なった場合は、
被せ物をした場合よりも6倍も歯が割れるリスクが上がるのです。
 
つまり、抜歯になるリスクが何倍も膨れ上がります。
ですので、抜髄治療で痛みが消えた!としても、そこで治療を中断してはいけません!
途中で治療をやめてしまった場合は、再治療が必要になります。
そうすると、歯に大きな負担がかかることで、歯の寿命が短くなります。
最後まで、治療に通うことが最も大切です!

 

ポイント2 抜髄治療の期間や回数について

こちらの図は、虫歯で神経の治療に必要な回数や期間についてまとめています。
1週間に1度の治療で、1回の治療時間も30分で治療したものとして示しています。


歯の根っこの治療の期間は、治療の条件によって変わります。
その理由は、前歯と奥歯での根っこの数に違いがあるからです。
また、保険診療でこれ以上に期間が短い場合は、治療がきちんと行き届いていない可能性もあるぐらい、根管治療は非常に複雑で時間がかかります。
 
最近の研究では、1回の治療時間を長く、できる限り少ない回数でした方が治療の成功率も上がるという結果も出てきていますので、こういった方法を取ることも保険診療では限界があることがあります。

 

ポイント3 抜髄にならないために日頃から気をつけておくべくポイントについて

ポイントは大きく2つあります。
1つめのポイントは「虫歯にならないようにする」ことです。
もちろん、しっかりと歯みがきをすることは大切です。
しかし、最も大切なことがあります。それは「食生活」です。
特に、甘い飲み物をチビチビと長時間に渡り飲み物を飲んだり、寝る前に飲食をすることは虫歯の発生に直結します。
2つめのポイントは「虫歯を早期発見すること」です。
どんなに気を付けていても、生まれつきの唾液や歯の性質で虫歯になりやすい方もいらっしゃいます。
ですので、定期検診に通院し「虫歯が出来ても、小さい虫歯のうちに発見して治療する」ことで、神経の治療を回避することができます。
 
「痛くなってから歯医者にいく」という方は、神経の治療が必要になる可能性が高くなります。
 
歯医者に定期検診に通う方は、近年、非常に増加しています。
定期検診の経験がない方は、是非、お近くの歯医者にて検診をしてもらいましょう。

 

まとめ

・抜髄をした歯は、割れやすくなるため、最終的には被せ物を入れることが大切
・根管治療の治療回数や期間は、治療の条件によっても異なる
・前歯と奥歯では根っこの数が異なる
・抜髄にならないためには、「虫歯にさせないこと」「虫歯の早期発見」が大切

 

費用面から考える根管治療の保険診療と自由診療の違いについて

今回は「費用面から考える根管治療の保険診療と自由診療の違い」について、5つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
ラバーダムの使用について
 
■ポイント2
マイクロスコープ(顕微鏡)の使用について
 
■ポイント3
CT撮影について
 
■ポイント4
器具の使用頻度について
 
■ポイント5
器具薬液の種類について
 

以上の5つのポイントについて解説します。

ポイント1 ラバーダムの使用について

ではまず、「ラバーダムの使用」について解説していきます。
ラバーダムをご存知でしょうか?
ラバーダムとは歯に引っ掛けるゴムのマスクのことです。


このラバーダムを使用することで、唾液からの感染を防いだり、器具の落下を防いだり、消毒時に使うお薬の漏れを防ぐことができる、優れものです。
しかし、この「ラバーダム」は保険診療の費用には含まれていません。
ですので、保険診療では使用していないところも非常に多く見受けられます。
ですが、このラバーダムを使用しないまま治療を行うと、前述したとおり、唾液が根管の中に入り、せっかく治療をしても再発してしまうリスクがグーンと上がります。
ですので、ラバーダムを使用しているか使用していないかは、治療に置いてとても大切なのです。

 

ポイント2 マイクロスコープ(顕微鏡)の使用について


マイクロスコープとは顕微鏡のことであり、20倍にまで歯を拡大してみることができるので、複雑な根管の治療が可能になったり、細い根管などを見つけ治療ができるなど、再発のリスクを下げることができる優れものです。
 
マイクロスコープを導入するにも費用が必要なため、そもそも医院に無いところがあったり、あったとしても自由診療でのみ使用しているというところが多いのではと思います。
しかし、最近は部位や治療内容に限定条件がありますが、一部保険診療でもマイクロスコープの費用の算定が追加されたので、今後は使用されることが増えるかもしれません。
ただし、マイクロスコープを使用すると、保険の診療であっても、通常の根管治療の費用よりプラスアルファーの費用が必要になります。

 

ポイント3 CT撮影について

よく使用されるのが大きいレントゲンのパノラマと、


部分的なレントゲンのデンタルです。


こちらも治療をしていく上で重要なレントゲンですが、上のレントゲンは2次元のものなので、根っこがどのように曲がっているか、どこで神経の通り道が塞がってしまっているかなどという細かいことは分かりません。
 
これをよりわかりやすく見ることができるものがCTです。


CTは3D的にあらゆる角度から見ることができるので、根管がどのように曲がっているか、どの部分から神経の通り道が塞がっているかなどを具体的に見つけることができます。
根管の中は非常に複雑なものです。
ですので、CTを使用してきちんと確認しながらの治療が大事ということです。
ただし、このCTを導入していない医院もありますので、自由診療のある、根管治療に根差した医院での治療を受けていただくことが大切です。

 

ポイント4 器具の使用頻度について

根管治療には様々な器具を使用しますが、中でも多く使用されるのが、このファイルと呼ばれる道具です。


このファイルと呼ばれる器具は、使用した後滅菌をして、それができればまた別の人で使用するといった、いわゆる使い回しでの診療が多いです。
もちろん滅菌はしていますが、保険診療では「この患者様の専門の道具」として使用することは非常に少ないです。
この使い回しをしていることで、器具が徐々に劣化し、折れやすい状態になります。
これが根っこの中で折れてしまっては大変なことは、想像できますよね。
また、衛生面的にもきちんと患者様ごとに使用し、使い終われば捨てるといった方法が最も清潔です。
当医院での自由診療の場合は、患者様それぞれに器具をご用意しておりますので、折れるリスクも下げられますし、清潔に診療をすることを心がけております。
この体制をとっているかについても、かなりコストがかかりますので、実際にこのような体制をとっているところは少ないかもしれません。

 

ポイント5 器具薬液の種類について

保険診療というものは、限られた道具でしか診療をすることができません。
ですので、治療が行き届かなかったり、治療がやりきれずに再発するリスクがかなり高いです。
それに比べて、自由診療では自由に器具や薬液を選び使用することができます。
根管治療では先ほども出てきた、「ファイル」を使用して根っこの中を掃除していきます。


ですが、レントゲン写真のように根っこの先がクイーンとまがった根っこの場合は、治療が難しくファイルがきちんと根っこの先まで入らないことがあります。


そこで活躍するのがこの「ニッケルチタンファイル」と言われる道具です。
ニッケルチタンファイルは根管の先まで曲がってくれるので、従来よりも曲がった根っこの治療が可能になってきました。
しかし、このニッケルチタンファイルなど、あらゆる道具を使用して治療を進めようとすると、それだけ費用も必要になってきますので、保険診療では使用しないことが多いです。
つまり、限られた物だけでの治療には限界があるということです。
 
以上が、費用面から見る、根管治療の保険診療と自由診療の違いでした。

 

まとめ

・ラバーダムを使用しないと細菌感染を再度引き起こしてしまう
・顕微鏡を使用することで、より細い根管も見つけることができる
・CTを使用することで、治療の具体的な計画をたてやすくする
・保険診療では、器具の使い回しがほとんど
・自由診療では道具を自由に選択でき、再発リスクを下げられる

 

歯が揺れている・痛みがある 50代/男性

歯が揺れている・痛みがある 50代/男性

 

治療前 治療後

 

項目 詳細
年齢・性別

50代・男性

年齢・性別 50代・男性
ご相談内容症状

歯が揺れている気がする。噛むと痛みがあり、抜歯しないといけないと言われたが、残せないか相談したい。

ご相談内容症状 歯が揺れている気がする。噛むと痛みがあり、抜歯しないといけないと言われたが、残せないか相談したい。
診断治療内容

診察・検査を行ったところ、歯の根の先に膿が溜まっており、また歯の頭の方からも骨が破壊されて根の先の病変と繋がり、大きな透過像(黒い影)が確認でき、エンドペリオ病変が疑われます。
 
エンドペリオ病変とは、根尖性歯周炎(歯の根っこの病気)と歯を支えている骨が破壊されていく歯周病(歯槽膿漏)が起きてしまい、2つの病気が繋がってしまうことです。
 
歯茎の検査で、急に根尖(歯の根の先)にまで深いポケットが出現すると可能性として考えられるのは…
・根の破折
・歯周病の急性症状による歯周ポケットの出現
・エンドペリオ病変
などが考えられます。
 
歯周病の急性症状の場合は歯周病治療をしっかり行うことで改善をはかることができますが、エンドペリオ病変の場合はエンドファーストと言い、歯の根の治療が優先とされます。
 
今回のケースでは、確かに大きな病変(黒い影)があり、抜歯と診断されてもおかしくない状態でしたが、まずリトリートメント(再根管治療)を行い、歯の中からアプローチします。
その後、改善傾向に無ければ、意図的再植を行う可能性があります。

診断治療内容 診察・検査を行ったところ、歯の根の先に膿が溜まっており、また歯の頭の方からも骨が破壊されて根の先の病変と繋がり、大きな透過像(黒い影)が確認でき、エンドペリオ病変が疑われます。
 
エンドペリオ病変とは、根尖性歯周炎(歯の根っこの病気)と歯を支えている骨が破壊されていく歯周病(歯槽膿漏)が起きてしまい、2つの病気が繋がってしまうことです。
 
歯茎の検査で、急に根尖(歯の根の先)にまで深いポケットが出現すると可能性として考えられるのは…
・根の破折
・歯周病の急性症状による歯周ポケットの出現
・エンドペリオ病変
などが考えられます。
 
歯周病の急性症状の場合は歯周病治療をしっかり行うことで改善をはかることができますが、エンドペリオ病変の場合はエンドファーストと言い、歯の根の治療が優先とされます。
 
今回のケースでは、確かに大きな病変(黒い影)があり、抜歯と診断されてもおかしくない状態でしたが、まずリトリートメント(再根管治療)を行い、歯の中からアプローチします。
その後、改善傾向に無ければ、意図的再植を行う可能性があります。
治療期間

約4か月

治療期間 約4か月
費用
※治療当時の価格表示となっております。

363,000円
<内訳>
リトリートメント…187,000円
セラミッククラウン…176,000円

費用
※治療当時の価格表示となっております。
363,000円
<内訳>
リトリートメント…187,000円
セラミッククラウン…176,000円
術後の経過
現在の様子

根管充填(最終のお薬の充填)を行ってから、仮歯で経過観察した結果、根っこの先から繋がってしまった大きな黒い影が無くなり、骨が再生してきているのが確認できました。
当初は意図的再植が必要になる可能性もありましたが、改善傾向にありましたので、被せ物を装着し、治療終了となりました。
 
現在は、歯の揺れや痛みもなくなり、怖がらずに食事が楽しめるようになったと喜んでいただきました。

術後の経過
現在の様子
根管充填(最終のお薬の充填)を行ってから、仮歯で経過観察した結果、根っこの先から繋がってしまった大きな黒い影が無くなり、骨が再生してきているのが確認できました。
当初は意図的再植が必要になる可能性もありましたが、改善傾向にありましたので、被せ物を装着し、治療終了となりました。
 
現在は、歯の揺れや痛みもなくなり、怖がらずに食事が楽しめるようになったと喜んでいただきました。
治療リスク

根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

治療リスク 根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

 

再治療が必要と言われたが、もう繰り返したくない 60代/女性

再治療が必要と言われたが、もう繰り返したくない 60代/女性

 

 

項目 詳細
年齢・性別

60代・女性

年齢・性別 60代・女性
ご相談内容症状

長期間に渡って、疲れが溜まった時などに違和感を感じたりしていたが、大きく痛みはない。
過去にも何度も治療を繰り返しており、これ以上治療を繰り返したくない。

ご相談内容症状 長期間に渡って、疲れが溜まった時などに違和感を感じたりしていたが、大きく痛みはない。
過去にも何度も治療を繰り返しており、これ以上治療を繰り返したくない。
診断治療内容

診察・検査を行ったところ、歯の根の先に膿が溜まっていました。
マイクロスコープやラバーダム防湿、有効な薬剤、患者様毎に使い捨てにする器具などを用いて、精密根管治療・リトリートメント(再根管治療)を行い改善傾向に行くか確認していきます。
また、CT画像から近心根(画像でいうと2本見えている根っこの左側)に穴が空いてしまっている可能性が考えられますので、パーフォレーションリペアが必要になる可能性があります。
 
治療後、経過観察を行い、改善傾向になければ外科的歯内療法(外科的な根管治療)を行う可能性もあります。
 
実際に治療を行っていくと、やはり近心根(画像でいうと2本見えている根っこの左側)にストリップスパーフォレーションというトラブルがありました。
 
ストリップスパーフォレーションとは、根管治療を行う過程で、過剰な根管拡大をした結果、根管壁(歯の厚み)が薄くなって穴が空いてしまうことで、曲がっている根管に起きやすいトラブルです。歯茎よりも下に位置した部分に穴が空いてしまった場合は「抜歯」と診断されることもしばしばです。
 
バイオセラミックを用いたパーフォレーションリペア(穴が空いてしまった部分の修復)などで歯を残せる可能性が高くなっていますが、大き過ぎる穴の修復は不可能な場合や修復できたとしても、その後すぐに悪くなってしまう可能性が高い場合には残念ながら「抜歯」という診断となります。
 
今回のケースでは、パーフォレーションリペアにて修復出来る可能性があったので、バイオセラミックで空いてしまった穴を塞ぎ、精密根管治療・リトリートメントを行いました。

診断治療内容 診察・検査を行ったところ、歯の根の先に膿が溜まっていました。
マイクロスコープやラバーダム防湿、有効な薬剤、患者様毎に使い捨てにする器具などを用いて、精密根管治療・リトリートメント(再根管治療)を行い改善傾向に行くか確認していきます。
また、CT画像から近心根(画像でいうと2本見えている根っこの左側)に穴が空いてしまっている可能性が考えられますので、パーフォレーションリペアが必要になる可能性があります。
 
治療後、経過観察を行い、改善傾向になければ外科的歯内療法(外科的な根管治療)を行う可能性もあります。
 
実際に治療を行っていくと、やはり近心根(画像でいうと2本見えている根っこの左側)にストリップスパーフォレーションというトラブルがありました。
 
ストリップスパーフォレーションとは、根管治療を行う過程で、過剰な根管拡大をした結果、根管壁(歯の厚み)が薄くなって穴が空いてしまうことで、曲がっている根管に起きやすいトラブルです。歯茎よりも下に位置した部分に穴が空いてしまった場合は「抜歯」と診断されることもしばしばです。
 
バイオセラミックを用いたパーフォレーションリペア(穴が空いてしまった部分の修復)などで歯を残せる可能性が高くなっていますが、大き過ぎる穴の修復は不可能な場合や修復できたとしても、その後すぐに悪くなってしまう可能性が高い場合には残念ながら「抜歯」という診断となります。
 
今回のケースでは、パーフォレーションリペアにて修復出来る可能性があったので、バイオセラミックで空いてしまった穴を塞ぎ、精密根管治療・リトリートメントを行いました。
治療期間

約3か月

治療期間 約3か月
費用
※治療当時の価格表示となっております。

418,000円
<内訳>
リトリートメント…187,000円
パーフォレーションリペア…55,000円
セラミッククラウン…176,000円

費用
※治療当時の価格表示となっております。
418,000円
<内訳>
リトリートメント…187,000円
パーフォレーションリペア…55,000円
セラミッククラウン…176,000円
術後の経過
現在の様子

根管治療の直後から数日は鈍い痛みがあったとお聞きしましたが、1週間程で症状は改善されました。
歯の根の先にあった黒い影は骨が再生して、ほぼ消失しました。
特に穴が空いてしまってた部分に関しては、引き続き経過観察が必要ですが、長い期間感じていた違和感などの症状は無くなったとの事です。

術後の経過
現在の様子
根管治療の直後から数日は鈍い痛みがあったとお聞きしましたが、1週間程で症状は改善されました。
歯の根の先にあった黒い影は骨が再生して、ほぼ消失しました。
特に穴が空いてしまってた部分に関しては、引き続き経過観察が必要ですが、長い期間感じていた違和感などの症状は無くなったとの事です。
治療リスク

根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

治療リスク 根管治療を行った歯は、神経のある歯と比べて歯の強度が弱いため、破折のリスクがあります。
そのため、最終の被せ物が入った後は就寝時に装着するマウスピースを使用した方が良い。

 

歯の神経を取ると起こり得ること

今回は「歯の神経を取ると起こり得ること」について、2つのポイントで詳しくお話しします。
 
■ポイント1
歯の神経を取ると起こること
 
■ポイント2
歯の神経を取らないために大切なこと
 

以上の2つのポイントについて解説します。

ポイント1 歯の神経を取ると起こること


抜髄で歯の神経をとった後、「その歯はどうなるのか」について説明したいと思います。
抜髄した歯は、元々の自分の歯と比較して割れやすくなります。
特に力のかかる奥歯は、割れてしまうと抜歯になるリスクが高くなるので、
歯が割れるリスクを下げるためにも、図のような被せ物にします。
 
被せ物をせずに放置したり、樹脂や小さな金属で詰める治療を行なった場合は、
被せ物をした場合よりも6倍も歯が割れるリスクが上がります。
つまり、抜歯になるリスクが何倍も膨れ上がるのです。
 
ですので、抜髄治療で痛みが消えた!としても、そこで治療を中断してはいけません!
途中で治療をやめてしまった場合は、再治療が必要になります。
そうすると、歯に大きな負担がかかることで、歯の寿命が短くなります。
最後まで、治療に通うことが最も大切です!

 

ポイント2 歯の神経を取らないために大切なこと

歯の神経を取らないために、日頃から気をつけるべきポイントについて解説していきます。
1つめは、「虫歯にならないようにする」ということです。
 
最も理想的な方法は「虫歯にならないようにする」ことです。
もちろん、しっかりと歯みがきをすることは大切です。
しかし、最も大切なことがあります。それは「食生活」です。
特に、甘い飲み物をチビチビと長時間に渡って飲むこと、寝る前に飲食をすることは虫歯の発生に直結します。
ですので、そういった行為を控えることが、虫歯を作りにくくし、抜髄治療を避けることができます。
 
2つ目は、「虫歯を早期発見すること」です。
 
どんなに気を付けていても、生まれつきの唾液や歯の性質で虫歯になりやすい方もいらっしゃいます。
ですので、定期検診に通院し「虫歯が出来ても、小さい虫歯のうちに発見して治療する」ことで、神経の治療を回避することができます。
「痛くなってから歯医者にいく」という方は、神経の治療が必要になる可能性が高くなります。
歯医者に定期検診に通う方は、近年、非常に増加しています。
 
定期検診の経験がない方は、是非、お近くの歯医者にて検診をしてもらいましょう。

まとめ

・歯の神経を取ると「歯が割れてしまう」リスクが上がる
・歯の神経を取らないためには、できる限り虫歯を作らない、そして虫歯ができても早期発見することが大切

 

女性必見!根管治療時によくある質問集

「女性必見!根管治療時にあるよくある質問集」について、3つの質問と答えを解説!
 
■Q1
妊娠中ですが根管治療を受けてもいいですか?
 
■Q2
授乳中ですが根管治療を受けてもいいですか?
 
■Q3
根管治療をしている最中に、消毒液が喉に漏れて痛みがあるが大丈夫ですか?
 

以上の3つの質問について解説します。

Q1 妊娠中ですが根管治療を受けてもいいですか?


A . 安定期の治療は問題ありません。

 


しかし、妊娠後期の治療は妊婦に負担が大きいので、安定期に入った後は早く受診をするようにしましょう。

 


また、使用する薬剤、内服薬も注意する必要があります。

 


治療前に歯科医師に妊娠している事をしっかりと伝えることが大切です。

 

Q2 授乳中ですが根管治療を受けてもいいですか?


A.基本的に、問題ありません。
しかし、使用する薬剤、内服薬も注意する必要があります。


治療前に歯科医師に妊娠している事をしっかりと伝えましょう。

 

Q3 根管治療をしている最中に、消毒液が喉に漏れて痛みがあるが大丈夫ですか?


A. ラバーダムと呼ばれるゴムのマスクをせずに治療をした可能性が考えられます。

 


ラバーダムは、無菌的処置だけでなく医療事故を防ぐ上でも大切な処置です。
もし、そのような状況の場合はしっかりとうがいを行い、自然治癒するまで待つしかないのが現状です。
根管治療前に、歯科医師にラバーダムの使用をお願いしても良いでしょう。

 

まとめ

・妊娠中でも安定期であれば治療は問題ない。
・授乳中も問題はない
・ただし、妊娠中も授乳中もお薬の服用を控えた方がいいものもあるため、治療前に伝えることが大事
・喉にお薬が漏れた時は自然に治癒するまで待つしかない

 

根管治療の薬はなぜ使うのか

「根管治療の薬はなぜ使うのか」について、3つのポイントで解説!
 
■ポイント1
洗浄薬として使う
 
■ポイント2
消毒薬として使う
 
■ポイント3
根管充填として使う
 

以上の3つのポイントについて解説します。

ポイント1 洗浄薬として使う


根管治療で薬を使う場面はいくつかありますが、1つめは「洗浄薬」として使う時です。
洗浄薬は、歯科医院内での根管治療中に使用します。
根管の内部の「細菌に感染した神経」や、「以前に根管治療した際に入れた根管充填剤」を除去した後に、徹底的に洗浄薬にて洗浄します。
代表的なお薬は「次亜塩素酸」と「EDTA」と呼ばれるお薬です。

 


「次亜塩素酸」は強力な殺菌作用があり、根管治療に必須の洗浄薬です。
大量に、じゃぶじゃぶ使用することで効果を発揮します。
しかしながら、歯茎についたり、喉にこぼれたり、根の先から漏れ出ると、治療終了後に強い痛みが数日間〜数週間続きます。
このことから、ラバーダムの使用が重要になります。ラバーダムを使用していない場合は、重篤な医療事故(ヒポクロアクシデント)に繋がる場合があります。
根管治療に精通している歯科医院では、次亜塩素酸ナトリウムの「高い効果と危険性」を熟知しているのでラバーダムを行いながら、リスクを抑えた適切な使用が可能です。
もう一つが「EDTA」と呼ばれるお薬です。
EDTAとは、削りかすを溶かすというお薬です。
根管治療ではファイルという器具を使用します。
その際に、根管内に「歯の削りカス」が溜まります。
多くの場合、その削りカスの中には細菌が隠れています。その削りカスを溶かすことが主な役目です。
 
しかしながら、不必要に長時間使用し続けると歯の強度が低下して、将来的に割れやすくなります。
根管治療に精通している歯科医院では、漫然と使用するのではなく「いかに短時間で、有効な使い方をするか」を大切にしています。
以上が、洗浄時に使用する代表的なお薬の種類でした。

 

ポイント2 消毒薬として使う


消毒薬は、「歯科医院内での根管治療した日から、次回の治療日までの間に根管内に入れっぱなしにする薬」です。洗浄薬では殺菌しきれなかった根管内部の細菌を「時間をかけてじわじわ殺菌する」という目的があります。
 
代表的なお薬は、「水酸化カルシウム」「FC:CC」「ペリオドン」の3種類です。
 
 
「水酸化カルシウム」とは、強いアルカリ性で根管内を殺菌する役目があり、根管治療専門医が使用する唯一の消毒薬です。
この消毒薬と接している部分のみが消毒されるので、キチンと根管内に詰められていないと効果を発揮しません。
根管治療専門医は、様々な技術で適切な量をキチンと詰めることが出来ます。
「FC:CC」とは、根管内でガスになり消毒作用を発揮するお薬のことです。
この薬は、歯科医院の消毒薬の様な匂いの原因の一つです。
しかし、歯の周囲組織に悪影響を及ぼすことが発覚しており他の先進国では使用されなくなっています。
日本でも根管治療専門医は使用しません。
また、痛みがある場合(急性症状)に使用すると激痛を引き起こすことがあります。
 
最後に、「ペリオドン」とは、初めて神経をとる治療(抜髄治療)の後に使用されることが多い薬です。
こちらの薬も、歯科医院の消毒薬の様な匂いの原因の一つです。
 
しかし、歯の周囲組織に悪影響を及ぼすことが発覚しており他の先進国では使用されなくなっています。日本でも根管治療専門医は使用しません。
また、痛みがある場合(急性症状)に使用すると激痛を引き起こすことがあります。
 
以上が、消毒時に使用するお薬についてでした。

 

ポイント3 根管充填として使う


根管充填剤は、「根管治療で消毒が完了したと判断した場合に、根管内に詰める最終の薬」です。
歯の中に、ずっと残り続ける薬なので非常に重要になります。

 


どのお薬にもメリット・デメリットがありますので、どの方法が良いのかは歯科医師の判断が大切です。

 

まとめ

・洗浄剤には2種類ある。効果的に使用するにはラバーダムが欠かせない。
・消毒剤は、水酸化カルシウム以外は使用するべきではない。
・使用すべきでないホルマリン系消毒剤が「歯科医院特有の匂い」の原因になる。
・根管充填剤は、「MTA」もしくは「バイオセラミック含有のガッタパーチャと接着剤」が再発の少ない治療に繋がる。
 
【根管治療の薬による痛みの原因と対処法】からの枝分かれ記事