根管治療の内容
Q.歯根嚢胞だけど抜歯したくない人のための選択肢とは?
「歯根嚢胞だけど抜歯したくないひとのための選択肢とは」について2つのポイントを解説します。
■ポイント1
歯根嚢胞は抜歯をすることで初めて確定できる
■ポイント2
歯根端切除術や意図的再植など、外科的治療を行う
以上の2つのポイントを解説します。
ポイント1 歯根嚢胞は抜歯をすることで初めて確定できる
【レントゲンで歯根嚢胞があるかどうかはわからない】
まずは、前提的なお話をさせていただきますが、実は、歯根嚢胞が見つかるのは、抜歯をした後に初めて分かるのです。
確かに、レントゲン上で根っこの先が黒くなっている場合に歯根嚢胞がある可能性もありますが、実際にはそれが、膿が溜まっているからなのか、骨が溶けてなくなってしまっているのかはレントゲンだけではわかりません。
ですので、「歯根嚢胞」があるから抜歯をするということではなくて、歯が割れてしまったり、あまりにも虫歯が大きくて、歯が残らない場合に抜歯をし、その時に「歯根嚢胞が見つかった!」というのが正しい解釈なのです。
ポイント2 歯根端切除術や意図的再植など、外科的治療を行う
【根っこの中からの治療でも改善できない時は外科治療を行う】
レントゲン上で黒い影が写っていて、歯根嚢胞があるかもしれない時にまずしていただくことは、顕微鏡やCTなどを活用しながら、根っこの中の治療をしっかりとすることが大切です。
精密な根管治療をすることで、根っこの先の黒いところがなくなっていき、骨に置き換われば抜歯をせずに済みます。
ただし、この治療をしても良くならない場合もあります。
そんなときは、歯の外側からアプローチを掛けてあげることが大切です。
大きく2つ種類がありますが、1つ目は歯茎をめくって、根っこの先を少し切り、お薬を逆から詰めてあげる歯根端切除術と呼ばれる治療です。
この治療をする際に、膿の袋があれば取ることも可能なので、治療をすることで抜歯を回避することができます。
2つ目は、一度歯を抜いて、抜いたところをきれいにしてあげてからまた歯を戻してあげる意図的再植と呼ばれる治療があります。
こちらも治療をしてあげることで、歯根嚢胞があれば取ることができるので、改善すれば抜歯を避けることができます。
この外科的な治療は、すべての歯医者さんでできる治療というわけでは有りませんので、しっかりと治療を行っているかを確認することが大切ですし、もちろん、その治療をしたとしても改善が見られない場合には抜歯になることもあります。
ですが、残せる可能性もありますので、まずは相談を受けていただくことをおすすめいたします。
まとめ
今回は、「歯根嚢胞だけど抜歯したくないひとのための選択肢」について、2つのポイントを解説しました。
1つ目のポイントは、そもそも歯根嚢胞は抜歯をすることで初めて見つかるということ
2つ目のポイントは、歯根端切除術や意図的再植など、外科的な治療を行うことによって、抜歯を回避できる可能性があるということです。
まずは、精密な根管治療を受けていただき、それでも改善しないときには外科的な治療があるということをお話させていただきました。
今回お話させていただいた治療は、専門的な治療ですので、すべての医院さんで行っているとは限りません。
ですので、治療を行っている医院さんにご相談していただいて、治療が可能かどうかの診断を受けていただくことをおすすめいたします。