破折ファイル除去とは
神経をとる治療(抜髄治療)や、やり直し治療(感染根管処置)を行う際に、「ファイル」と呼ばれる器具を使用します。
その「ファイル」と呼ばれる器具が、治療途中に歯の根の中(根管内)で破折してしまうことがあります。
それ自体は患者様の根管の形態などによって、破折してしまうことを防げない場合もあります。ですので、歯科医師が治療途中でそれに気がつき除去できる分には何も問題はありません。
しかしながら、破折した部分が非常に小さいため、歯科医師が気がつかずに治療が終了してしまう事があります。
問題なく経過している場合は、無理に除去する必要はありません。
しかしながら、その破折した器具の周囲が原因で、歯の根の先(根尖)に膿が溜まったり、歯茎が腫れたり、出来物ができたり、痛みが出たりしている場合があります。
そのような場合は、根管内から破折した器具(破折ファイル)を除去する必要がある場合があります。
それが「破折ファイル除去」と言われる処置になります。
精密根管治療の中でも最大難易度の治療となります。
もちろん、除去するために根管内をたくさん削れば取りやすくなります。
しかしながら、それでは「歯の寿命が短く」なってしまいます。
「歯の寿命に留意して、可能な限りダメージを少なくする」ことを心がけて破折ファイル除去処置を行なっておりますので、通常の破折ファイル除去処置よりも、さらに難易度が高い処置を行なっています。
治療の手順
①カウンセリング
②検査
③説明
④被せ物や土台などの除去
⑤虫歯の徹底除去
⑥隔壁作成
⑦根管内の古い防腐剤(ガッタパーチャ)の除去
⑧破折ファイルの除去
⑨根管治療へ移行
破折ファイル除去のメリット・デメリット
メリット
①なぜ、根管治療大阪クリニックの破折ファイル除去は成功率が高いのか?
1.診断力北米の根管治療の名門であるトロント大学歯内療法科の根管治療教育を受け、アメリカ歯内療法学会(AAE)のスペシャリストメンバーに認定されています。
「そもそも、本当にその折れた破折ファイルは除去する必要があるのか」
「除去する必要があるなら、どのような手順を用いれば歯へのダメージを減らせるか?」を診断します。
根管治療大阪クリニック内には歯科用CTで世界トップクラスのモリタ社のCTを使用しています。それにより、破折ファイルの位置を正確に調べるだけでなく、破折ファイルの長さや、本来の根管からどれ位の角度で折れているか?を判断しながら「破折ファイル除去計画」を立てていきます。一言で破折ファイル除去と言っても、一人一人の状況で使用する器具、手順、使用する薬剤が変わってきます。
②技術力
アメリカ歯内療法学会(AAE)のスペシャリストメンバーであり、朝から晩までマイクロスコープで精密根管治療を行なっていますが、実はこの精密根管治療のスキルと「破折ファイル除去」のスキルは「別物」「別格」です。余談になりますが、私がこの「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」の技術を身に付けることができたのは、紛れもなく寺内吉継先生(神奈川県開業)の先生の教えを受けることができたからです。寺内先生は「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」では世界でトップと言われており、その技術と経験は他の追随を許さないレベルです。
毎月のように海外の大学や学会で、海外の根管治療専門医に講義をしておられます。
この「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」は「根管治療分野においても、最大難易度と言われており非常に繊細な技術が必要とされています。
もちろん、マイクロスコープを見ながら、歯の内部を多量に削れば除去しやすいのですが、歯の寿命が短くなってしまいます。
この「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」技術を習得するだけではなく、それを常にアップグレードして行くためには、「経験数」が非常に重要となります。根管治療大阪クリニックでは、他の歯科医院からの依頼で「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」を積極的に行なってきました。また、年に数回、海外の根管治療の学会に参加するだけでなく、海外のスペシャリストと知識や技術交換を行なっております。
また、上記に加え、最高品質のマイクロスコープであるカールツァイス社のPROergoで、「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」を行うことで、より一層、ハイクオリティーな治療を目指す事が可能です。
③説明力
根管治療大阪クリニックでは、治療前にCTを用いて、「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」の説明をしております。除去治療中はマイクロスコープに備え付けたカメラにて、治療中の様子を静止画や動画にて撮影しておりますので、マイクロスコープ専用説明ツール(カリーナ社DVP2)を用いて、毎回の治療後に「今日はどのような治療を行い、どこまで進んでいるか、どこに問題があるのか」をしっかりと御説明しています。
患者様は、自分では見ることが出来ない実際の自分の歯を大きな画面で動画で見ることが可能です。それにより、ご自身の状況が非常によくわかると好評です。
④治療回数が少なく、治療期間が短い
根管治療大阪クリニックの破折ファイル除去治療は、一回の治療時間を60分に設定しております。これは、患者様の通院負担を減らすだけでなく、医学的に「治療回数の少ない方が成功率が高い」と言われているためです。
デメリット
①可能な限り、朝一番や昼休憩後一番でご予約をお願いしております。
上記でも記載しましたが、「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」は他の治療と比較よりも、より一層、繊細な技術をと深い集中力を必要とします。ですので、視力的にも精神的にも最もフレッシュな時間帯での処置をお願いしております。海外の文献では「破折ファイル除去治療は45分以上経過すると、成功率が低下」すると言われております。45分経過しても除去が完了しない場合は、無理をせず2回目以降の治療で行うようにしております。丁寧で安心安全を目指していきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。
②成功率は100%ではない
世の中に存在する全ての治療行為に共通することですが、破折ファイル除去の成功率は100%ではありません。もちろん、100%に近くづくようスペシャリストとして最善を尽くしておりますが、
除去が出来ないこともございます。
成功しない場合は、歯科医師の失敗なのでしょうか?
実は、「成功しない=歯科医師の失敗」と短絡的に考えてしまう方がいらっしゃいます。
しかしながら、それは正しくありません。
スペシャリストが、どんなに破折ファイル除去を試みても、物理的に不可能な場合や
無理に除去することで歯のダメージが大きくなり、歯の寿命を短くしてしまうことがあります。
よって、多くの歯科医院では、「様子を見ましょう」「抜歯しましょう」という治療が行なわれています。もちろん、両方とも治療の選択肢として間違いではありません。
根管治療大阪クリニックでは、患者様の肉体的負担をなるべく避けるために、可能な限り外科処置を避け、根管内から破折ファイル除去を目指します。しかしながら、それが困難な場合は「歯根端切除術・意図的再植術・抜歯」などの外科処置をご提案することもあります。
③「破折ファイル除去」治療は、自由診療になります。
それには、いくつかの要因があります。・北米の根管治療の名門であるトロント大学歯内療法科の根管治療教育を受け、アメリカ歯内療法学会(AAE)のスペシャリストメンバーに認定されている歯科医師が行う為。
そのスペシャリストでも、一部のスペシャリストが出来る処置となります。
・保険診療では1500円程度と格安ですが、「歯にダメージの少ない破折ファイル除去」で用いる超音波チップだけで15,000円程度の価格がします。破折ファイルの位置によっては、そのチップを治療する患者様に合わせて研いだり、曲げたりするので使い捨てになることも良くあります。
また、それ以外にも状況に合わせた機材や薬剤を組み合わせます。日本では入手が困難な機材を使用することも多いため、機材費が高額になります。
日本の多くの歯科医師が、患者様の事を想い、可能ならば自分の歯科医院にて除去したいと考えておられます。しかしながら、非常に難易度が高いため根管治療大阪クリニックのような歯科医院に依頼されることが多い治療です。
保険治療との違いは?
①保険治療の破折ファイル除去治療
②根管治療大阪クリニック破折ファイル除去治療
保険治療の 破折ファイル除去治療 |
根管治療大阪クリニックの 破折ファイル除去治療 |
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術者 | 一般歯科医師だが、 |
AAEスペシャリスト |
ラバーダム | 多くの場合しない |
必ずラバーダム |
拡大 | しない(肉眼) orルーペ? |
高性能マイクロスコープ |
歯の周りの消毒 | 多くの場合しない |
複数の薬剤で念入りに必ず行う |
隔壁 | しない場合が多い |
高温湿下にてレジンで |
神経表面に 再生する歯の質 |
穴が開いていることも。 |
強度や密閉性が高い |
使用器具 | 何かしらの超音波器具 |
専用超音波器具 |
予後 | 歯の内部を多く削ることが多いので、 |
当院では、専用超音波器具をさらに小さく |
成功率 | 不明・・・ |
今まで除去できなかったことはありません |
費用
破折ファイル除去 | 55,000円(1本につき) |
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